中居正広、ジャニーズ退所は「なぜ今なのか?」――ビジネス評論家が「会社を離れていく3大理由」から分析
「ビジネスパーソンが会社(組織)を離れていく3大理由」の最後、「報酬と待遇」である。普通のビジネスパーソンにとっては大きな要素だが、中居にとっては相対的に「どうでもいい」ことだと思われる。
というのも、中居は芸能人の中でも相当な資産家だとされているからだ。「資産200億円以上」という未確認報道はさておき、17年4月放送の『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)の中で、“7億円超えのマンション”が話題になり、中居はこれを「買えない」とはっきり言わなかった。一方で、20年1月には自身のラジオで「月の食費は5万円」と明かし、40代独身男の堅実な生活ぶりもうかがわせた。「とにかく金が減らない」とも発言している。
恩人だったジャニー氏はいなくなったし、事務所では将来も幹部になれる見込みはあまりない。そう考えると、事務所に差し引かれているギャラが馬鹿らしくなりはしないか。「金持ちほどケチだ」というではないか。
ジャニーズ事務所のような大手芸能事務所に所属する大物タレントの報酬は、多くが「月額固定給」と「ギャラの歩合支払い」の組み合わせと見られている。現在、中居がレギュラー出演しているテレビ番組は、いずれも自身がメインの司会者を務めている。番組制作のメイン出演者へのギャラは相当額になるとされるが、これらは独立すれば、自分の個人事務所が受領することが可能となる。ジャニーズ事務所からの現在の俸給とのバランスシートはどのように変わるのだろうか。
今回の独立表明に当たり、中居には以上のようにいろいろな感懐、思惑、判断、金銭計算があったことだろう。これだけ広く愛されているタレントが、今後どのように翼を広げていくのだろうか。ファンと共に見守りたい。
■山田修(やまだ・おさむ)
経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり、外資4社および日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績を全て回復させ「企業再生経営者」と評される。