ブラッド・ピット初のオスカー受賞作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』7つのトリビア
『ワンス~』には、伝説的アクションスター、故ブルース・リーが登場する。演じるのは韓国系アメリカ人俳優マイク・モーなのだが、このシーンを見たブルースの娘シャノン・リーが「父があまりにも傲慢で失礼な人間に描かれている」と大激怒。中国の国家電影局に抗議の文書を送った。
残酷で過激なシーンが多いタランティーノ作品は、これまでにも同局から「中国の基準に適合するよう編集し直すべし」と命じられ、大いに揉めてきた。ラスト30分のシーン以外は残酷なシーンがほとんどない『ワンス~』は、中国で初めてノーカットで公開されたかもしれないタランティーノ作品になるはずだったのだ。
クエンティンは、シャノンの抗議に対して「いやいや。ブルース・リーは傲慢な嫌な奴だったんだよ。しゃべり方とか。勝手に捏造したわけじゃない」と言い放ち、編集版の製作を拒否。公開は取りやめとなってしまった。
中国映画市場は年間興収1兆円ともいわれており、ハリウッド映画にとっても巨大マーケットなっている。この公開取りやめを受け、同作を製作したソニー・ピクチャーズと、出資した北京に本社があるボナ・フィルム・グループは大打撃を受けたと伝えられている。
キャスティング候補に挙がっていた!? 大物スターたち:『ワンハリ』トリビア7
タランティーノ作品の常連である俳優サミュエル・L・ジャクソンは、米映画サイト「Cinemablend」のインタビューで「今回、なんでキャスティングされなかったのかわからないよ。連絡なかったんだよ」とぼやいていたが、2017年に米芸能紙「Page Six」は「大手業界誌『Deadline』が、サミュエルが主要キャラクターの一人を演じるという情報をつかんだ。(監督とサミュエルは)相棒的な関係だからね」と報道していた。そのため、一時は主要キャラクターの有力候補に挙がっていたとみられている。
同じく17年には、タランティーノ監督が、シャロン役のキャスティングを、マーゴット・ロビーかジェニファー・ローレンスで迷っていると、複数のメディアが報道。米ニュースサイト「TMZ」から、どちらにシャロン役を演じてほしいかと聞かれたシャロンの妹デブラは、「マーゴット・ロビーね」「別に嫌いとかじゃないんだけど、ジェニファーは姉を演じるほど美しくないわ」と発言。この意見が反映されたのか、マーゴットが見事役を射止めた。
また、ブラッドが演じるクリフ役の候補にトム・クルーズが入っていたことを、タランティーノ監督がポッドキャスト『Happy Sad Confused』で認め、「レオナルドとブラッドのペアが完璧だったから、ブラッドにした。もしどちらかが出演できなければ、まったく別の役者を組み合わせていた」「レオナルドとブラッドのバディは完璧。なかなかないこと」と発言。改めて奇跡的なキャスティングが実現したのだと語った。