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タランティーノ流が至る所に

ブラッド・ピット初のオスカー受賞作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』7つのトリビア

2020/02/16 13:00
堀川樹里(ライター)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 (c)2019 Visiona Romantica, Inc. All Rights Reserved.

 1969年のハリウッドを舞台に、映画スターへの転身をもくろむテレビ俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、リックのスタントマンを務めるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)を通して、業界の光と闇、そして不気味なカルト教団マンソン・ファミリーの姿を描いた話題作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。

 コミカルだがシリアスでもある同作は、鬼才クエンティン・タランティーノ監督の長編映画。実際に起きた、カルト集団「マンソン・ファミリー」による女優シャロン・テート殺害事件が題材になっていることから、製作決定の時点から大きな注目を集め、世界的大ヒットとなった。現地時間2月9日に開催されたアカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞など10部門にノミネートされ、うち助演男優賞、美術賞を受賞。今回は、そんな『ワンス~』の、あまり知られていないトリビアをご紹介しよう。

レオは通常の半額のギャラで出演に同意:『ワンハリ』トリビア1

 70年代に子役としてキャリアをスタートさせてからというもの、出演料は右肩上がり。現在の総資産は2億ドル(約220億円)以上だと伝えられているレオナルド・ディカプリオ。40代に入っても役者としての人気は衰えず。そんなレオナルドだが、米エンタメ業界誌「Variety」によると、『ワンス~』のギャラは、通常要求する額の半額である1,000万ドル(約11億円)だったとのこと。

 同作の製作費は1億ドル(約110億円)であり、人気役者であるブラッドやマーゴット・ロビー、アル・パチーノやカート・ラッセルら大御所俳優、ダコタ・ファニングらの人気女優、ほかにも知名度の高い役者が多く出演しているため、レオナルドは少しでも費用を抑えるためにと「自分の出演料は1,000万ドルでよい」と同意したという。

あの子役はオーディションなしで即決:『ワンハリ』トリビア2

 テレビをつけたまま脚本を執筆するというタランティーノ監督。『ワンス~』執筆中、トルーディ・フレイザーという子役が出てくるシーンを書いている時に、たまたまテレビでシットコムの『アメリカン・ハウスワイフ』で子役が登場するシーンが放送されていたとのこと。その子役を見て、クエンティンは「今書いているシーンは、この子に演じさせよう」とひらめき、演じていたジュリア・バターズに出演をオファーした。

 レオナルド演じる“泣き虫俳優リック”を励ます、プロ意識を持った大人びた子役という難しい役どころをオファーされたジュリアは、タランティーノ映画もレオナルド出演作も見たことがなかったそうで、「そんなすごい人たちと一緒に働くとは思っていなかった」とのこと。米エンタメサイト「The Wrap」のインタビューでは、台本の読み合わせをした後、監督の提案でしばらくレオナルドと雑談したそう。「これまで会った中で一番すごい役者は?」という質問には、「レオ」と即答。「彼のおかげで、セリフではなく心で会話をするという、そんな演技ができた」とコメントしている。

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