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ドラマでよく見るセクハラそのもの

ヴィクトリアズ・シークレットが崩壊!? 30人以上が証言した「悪質セクハラ」「無報酬ヌード撮影」の実態

2020/02/03 17:49
堀川樹里(ライター)

 掲載された「地獄の中のエンジェルたち:ヴィクトリアズ・シークレット内部は女性蔑視の世界」というタイトルの記事は、30人以上の元/現職のモデル、幹部社員、従業員、下請け業者関係者たちへの取材をもとに執筆したもの。

 不定期にヴィクシーのモデルをしていたアリッサ・ミラーは、エドが「おまえらが有名になるのも、潰れるのも、オレさま次第」という高圧的かつ高慢な態度でモデルに接していたと証言。2年連続してショーに出演したことがあるモデルのアンディ・ミューズは、19歳だった当時、エドからディナーに誘われ、「業界で最も権力を持つ男性とプロフェッショナルな関係を築ける」と喜んだが、運転手付きの車で迎えにきた彼から車内で執拗にキスを求められ、ドン引き。その後「きみと一緒に暮らしたい」「きみをセクシーな場所に連れて行きたい」というメールを送られるようになり、うまくあしらっていたが、「自宅でディナーをごちそうする」という誘いを断ったところ、エドを怒らせたようで、次のショーには採用されなかったと証言した。

 同紙は、「(気に入ったモデルの)電話番号をエドは聞いていた」という証言、「エドはモデルに自分のひざに座るように命じたり、モデルをプライベートなディナーに誘ったりもしていた」といった証言を複数人から得ているとも伝えた。

 18年のショーで、ベラ・ハディッドが着用する下着が地上波で放送可能かどうか、サイズチェックを兼ねた確認作業に立ち会った際には、エドは「パンティなんか、どうでもいいんだよ」「彼女の完璧な“ぱいぱい”を揺らしながらランウェイを歩く姿をテレビで放送できるのかが重要だ」と、人気モデルのベラに対してもセクハラ発言をしたとのこと。この年のサイズ確認では、エドが他のモデルの股間に触ったことも、3人が証言しているという。

 自分の立場を利用し、長年にわたりモデルにセクハラや「不適切な行為」をしまくってきたエドだが、ファッション業界からは「レスリーの代理」と見なされ、無法状態だったと、元/現従業員たちは証言。PRを担当していたケイシー・クロウ・テイラーは、写真撮影の合間にスタッフに振る舞われたランチビュッフェの場で、大勢のスタッフが見ている中、エドから体形のことで怒鳴られ、「パスタやパンは食うな!」と罵倒されたと告白。身長177cm、体重63kgと、標準よりやせ気味な体形の彼女だが、罵倒されたショックのあまりトイレに駆け込み号泣。人事に苦情を入れたが、何の対応もしてもらえなかったため、翌週辞職したと明かした。ケイシーは、「(エドのモデルへのセクハラや社員へのいじめは)あたりまえのこととして受け止められていた。まるで洗脳のようだった。なんとかしようと行動を起こす者は罰せられた」という証言もしている。

 同紙は、90年代半ば頃から、前述のジェフリーがヴィクシーを利用し、売春女性をリクルートしようと試みていることに気づいて警戒するようになった、という3人の「L・ブランズ」幹部社員の証言も伝えている。この件について同紙からコメントを求められたエドは、メールで「告発はまったくもって事実ではない。誤解、または文脈を無視して解釈されたものだろう」と主張。そして「私は幸運なことに、数えきれないほどの世界的なモデルや才能のあるプロフェッショナルたちと働いてこられた。互いに尊敬し合ってきたことに大きな誇りを持っている」と力説した。一方、レスリーの広報はノーコメントだと返した。

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