エアロスミス、ドラマー・ジョーイがバンドを提訴! 活動歴50年でも“メンバー復帰”認められず
グラミー賞主催団体が設立した、ミュージシャンを支援するためのチャリティ団体「ミュージケアーズ」が、毎年、芸術的功績と慈善活動への貢献をが顕著なアーティストに贈る「パーソン・オブ・ザ・イヤー・アワード」。今年この賞を受賞するのは、結成50年という節目の年を迎えた伝説的ロックバンド、エアロスミスである。
この受賞をたたえる記念式典が現地時間1月24日に開催され、26日の第62回グラミー賞授賞式でもパフォーマンスをする予定。音楽史上最も“機能不全なバンド”と呼ばれている彼らだが、世間は、エアロスミス以上に息が長く、常にヒット曲を飛ばし続けているバンドはいないと、この受賞を祝福している。
そのエアロスミスにおいて、昨秋から内紛が勃発していることが明らかになった。結成当初からドラマーを務めているジョーイ・クレイマーが、バンドを提訴したのだ。
米ニュースサイト「TMZ」によると、ジョーイは昨春に肩を痛め、治療を受けるためバンドの活動から離脱。回復したので秋に復帰しようとしたところ、バンドから「新しい方針を作ったからオーディションを受けろ」と突きつけられ、「たった1人でドラムを演奏し、それを録音したものを後日ほかのメンバーが聞いて判定を下す」という屈辱的な形のオーディションを受けたとのこと。しかもその結果、彼らは「十分なエネルギーがない」としてジョーイの復帰を却下。24日と26日のパフォーマンス参加も認めないと言われてしまった。
ジョーイはバンド活動から離れている間、代理のドラマーに「ライブでの演奏をする場合は週に2万ドル(約220万円)」「リハーサルは週に1万ドル(約110万円)」を支払ってきたことも明かし、納得できないと不満を爆発。「TMZ」の取材に対して、「自分の人生のうち50年を捧げてきたバンドでプレイするのを拒否されるなんて、ショックなんてものじゃない」「問題は金ではない。仲間と共に成し遂げた功績が認められ、たたえられる機会を奪われようとしているんだ」と憤りをあらわにした。
ネット上でもやはり、「いくらなんでもひどすぎる!」という声が噴出。メタルバンド「ドリーム・シアター」の初代ドラマーで、名ドラマーとして知られるマイク・ポートノイがラジオ番組で、「おかしいだろう? 身体的に演奏が無理な時はあると思うけど、本人ができると言っているのに(パフォーマンスへの参加を)拒否するなんて。演奏するのは『Walk This Way』とか『Dream On』とか(ジョーイが散々演奏し慣れている曲)なんだろう?」「忠義ってもんはないのか。オリジナル・メンバーなんだぜ」と大激怒するなど一部で大騒ぎとなっているが、22日、裁判所はジョーイの訴えを「6カ月間もバンドと演奏していないのだし、パフォーマンスに向けてのリハーサルの時間ももう十分にない」として却下。