宮下草薙・草薙航基、「コミュ障のできないキャラ」ではなく「図々しいできない子」と感じるワケ
最近人気の「できないキャラ」と言えば、お笑い芸人・宮下草薙の草薙航基を思い浮かべる人も多いだろう。『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)に出演した際、草薙は、千原ジュニアから飲み会の誘いを受けたものの、「飲み会でも急に大喜利をやったりしそう」「面白い答えを言わないと、食べちゃいけないみたいな」と勝手に“想像”して、断ってしまうという。こういう人付き合いができない「コミュ障」エピソードを豊富に持つこと、また彼の朴訥とした雰囲気に、親近感を抱く視聴者も少なくないのではないか。
しかし、1月14日放送の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)を見ると、草薙が本当にコミュ障なのか疑問に思えてくる。
同番組では、明るくポジティブなキャラで売っているANZEN漫才・みやぞんと、コミュ障の草薙が、2人で1泊の伊豆旅行へ行くという企画が放送された。これは“お仕事”なので、みやぞんには盛り上げようと努力する様子がうかがえたが、草薙の受け答えを見ていると、3つの特徴があることに気づく。
1.自分で話題を見つけることはせず、相手(先輩)の話も掘り下げない
みやぞんは草薙に好きな食べ物や、よく聞く音楽を尋ねるが、草薙は会話が広がるような受け答えはできない。であれば、みやぞんに同じ質問をすればいいのに、そういった発想はできないようだ。草薙は藤田ニコルのことが好きで、同番組ではニコルに洋服を選んでもらうロケも行っている。しかし、そこに話がいくと、草薙は「ニコルさんの話はもう大丈夫です」とシャットアウト。話題が続かないので、みやぞんが珍妙なゲームを提案したものの、これも盛り上がらない。草薙は「こんな合わない人、僕、初めて」と言うが、そもそもゲームをすることになったのは彼自身が会話を拒んでいるからである。温厚キャラで知られるみやぞんも、「何でもダメダメ言うよ」と少しイラついていた。
2.相手に合わせない
お昼ごはんを食べる段階になり、みやぞんが、草薙の好物だという「カレーを食べよう」と提案するも、草薙は「(みやぞんが)好きなもの食べましょう」と言う。であればと、みやぞんは場所が伊豆ということもあり、「魚にしよう」と勧めるのだが、草薙は「魚、あんまり……。でも、全然食べられます」と答えていた。魚があまり好きではないと聞かされて、「じゃ、魚を食べに行こう」と言える人はかなり少数派だろう。草薙は他人に合わせるふりをして、まったく合わせていないのだ。
3.実は上から目線
温泉宿での就寝時、草薙は「(みやぞんのことを)誤解していてすみませんでした」と謝罪する。どう誤解していたかというと、みやぞんを「イカれた奴だな」と思っていたのだそうだ。先輩であるみやぞんに対し、暴言を吐くことが「面白い」とバラエティー的には思われているのかもしれないが、一般的に考えれば、こんな発言ができるのは、他人に対する敬意がない証拠ではないだろうか。少なくとも、お世話になるかもしれない存在だと思えば、こういう言い方はしないだろう。
こうした特徴から、草薙はコミュ障というより、案外図太く図々しい面もあるように私には感じられた。