宮下草薙・草薙航基、「コミュ障のできないキャラ」ではなく「図々しいできない子」と感じるワケ
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の有名人>
「こんなに合わない人、僕、初めて」宮下草薙・草薙航基
『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系、1月14日)
バラエティー番組には、「できないキャラ」の存在が不可欠ではないだろうか。
例えば、世界各国の“ミステリー”をテーマにしたクイズ番組『日立 世界ふしぎ発見!』(TBS系)。レギュラー解答者である黒柳徹子が全問正解に近い正答率を誇る一方で、同じくレギュラー解答者である野々村真は不正解である率が高い。突拍子もない答えを言うことから笑いが起きることもたびたびである。そんな野々村を「できないキャラ」と見ることもできるだろうが、もし出演者全員が正解してしまったら、番組には起伏がなく、盛り上がらない。野々村がいるからこそ、黒柳の正答率の高さも引き立つことを考えると、「できないキャラ」は番組に必要と言えるだろう。
芸能界は礼儀作法にうるさいと言われるが、そういった振る舞いが「できないキャラ」のタレントもいる。モデルのローラは、大御所相手に敬語を使わないタメ口キャラでブレークしたが、このキャラが許されたのは、ローラのルックスや生い立ちが関係しているだろう。ローラの父親はバングラディッシュ人、母親は日本人とロシア人の血が混ざったクォーター。そのため日本語がおぼつかない部分があっても、愛らしいルックスも相まって「仕方がない」と思わせる余地があるのだ。
こう考えると、「できないキャラ」は、本当に「できない人」であることよりも、「番組を盛り上げることに貢献できる人」もしくは「『この人なら仕方がない』という“正当性”を感じさせる理由を持っている人」ということが重要で、そういった芸能人が座れるポジションと言えるだろう。