2019年のK-POPシーンを振り返る――日本語楽曲のクオリティが急上昇、EDMはジャンル定着
――毎月リリースされるK-POPの楽曲。それらを楽しみ尽くす“視点”を、さまざまなジャンルのDJを経て現在はK-POPのクラブイベントを主宰するe_e_li_c_a氏がレクチャー。今回は2019年のK-POPを振り返ります。
明けましておめでとうございます。年も明けたということで、今回は下記の3つのトピックスから2019年のK-Popシーンを振り返りたいと思います。
・K-Popの楽曲の方向性
・K-Popグループの日本での楽曲リリース、活動
・脱退、活動休止など
トピック1:K-Popの楽曲の方向性
2019年はシティポップ楽曲が増加したこと、 また19年から突然というわけではないですが、年々EDMというジャンルの中での楽曲の幅の広がりを感じます。「EDM」というとフェスで騒ぐうるさい曲というイメージがあるかもしれませんが、Electro Dance Musicの略で、5月に紹介したBlackpinkの「Kill this love」はTrap、6月に紹介したDeep house、7月に紹介したPsyche Trance、10月に紹介した2stepなど全てがここに包括されるような大きいジャンルのくくりです。
2010年頃も4つ打ち楽曲は多かったですが、BPM128前後でシンセの音が全面的に出ている、今でいうとElectro Houseとジャンル分けされるような楽曲がほとんどでした。当時の2NE1、BEAST、INFINITE、T-ARA、U-KISS、4MINUTE、KARAなどをイメージしてもらえばわかりやすいかと思います。
その時と比べると新たに「EDM」という単語ができ定着してきたり、上記のジャンル以外にもFuture Bass、Tropical House、Moombahtonなどのジャンルが新しく生まれ、HouseやTechnoなどのジャンルも更に細分化しました。16年頃から現在も、Future Bassのはやりは依然として根強く残り、18年頃からDeep Houseの流れが来ていますが、一方でマイナーな事務所でも新しいジャンルの楽曲をリリースする状況も出てきているように感じます。今年は特にElectroやBig Room Houseなど一般的にEDMと思われる、フェスで聞くような派手な楽曲が例年に比べて多く感じました。あとはEuro Dance、Hard Style、Hardcoreあたりをやるアイドルが出てくれば、K-PopシーンでもうほとんどのEDMジャンルは網羅できるのではないでしょうか。
ということで、楽曲にそのジャンルの要素があると思うEDMのサブジャンルを書きながら、19年にリリースされた順に楽曲を紹介していきます。
<French House、Nu Disco、2step>
■네온펀치 (NeonPunch) – Tic Toc 2019.1.30
<Future Bass>
■이달의 소녀 (LOONA) – Butterfly 2019.02.19
<Future House>
■장동우(Jang Dong Woo) – Party Girl 2019.03.04
<Electro Swing>
■DIA(다이아) – WOOWA(우와) 2019.03.19
<Melbourne Bounce>
■MOMOLAND(모모랜드) – I’m So Hot 2019.03.20
<Electro、Future Bounce>
■Stray Kids – MIROH 2019.03.25
<Moombahton>
■KARD – Bomb Bomb(밤밤) 2019.03.27
<Tropical House、Future Bass>
■IZ*ONE (아이즈원) – 비올레타 (Violeta) 2019.04.01
<Bass House>
■NCT 127 – Superhuman 2019.05.24
<Garage House、Electro House>
■공원소녀(GWSN) – RED-SUN(021) 2019.07.23
<Synth Pop>
■디원스(D1CE) – 놀라워 2019.08.01
<Electro House、Progressive House>
■TRCNG – MISSING 2019.08.04
<Big Room House>
■EVERGLOW (에버글로우) – Adios 2019.08.19
<Deep House>
■NU’EST – LOVE ME 2019.10.21
<Trap>
■A.C.E (에이스) – 삐딱선 (SAVAGE) 2019.10.29
<Disco House、French House>
■DONGKIZ – Fever 2019.11.06