映画関係者がこっそり明かす、「期待されていたのにサッパリ」崖っぷちの新人女優2名
年末年始にかけて世界的に映画賞のラッシュが訪れるが、国内に目を向けると、最も早い時期に発表されることから、映画賞シーズンの行方を占うと言われているのが11月発表の「TAMA映画賞」と「報知映画賞」。その中でも業界人の注目を集めるのは「新人女優賞」だという。
今後の活躍を期待される実力派が選出されることで定評がある「TAMA映画賞」が、2019年度に選出した「最優秀新進女優賞」の受賞者は、岸井ゆきの(『愛がなんだ』)、シム・ウンギョン(『新聞記者』)で、「演技派として名高い新人が肩を並べた」(芸能誌編集者)という。一方、「報知映画賞」の新人賞は、『惡の華』『Diner ダイナー』の玉城ティナ。すでに多くのドラマや映画出演歴があるだけに「『新人』というにはいささか無理があるような気がする」(同)という声も上がっているが、国内の映画賞に携わったことがある映画ライターA氏は新人賞選出の内情をこう語る。
「選考委員が公開される全ての日本映画を見ているわけではないですし、『新人』をどう定義するかも賞によってまちまち。子役時代に映画出演経験があるだけで新人賞の候補から外すところもありますし、逆に主演女優賞に値するキャリアを持つ人が新人賞になってしまうこともあります。本来、新人賞は、『無名ながら実力ある俳優』の発掘にあるはず。選考委員には、人気やそれまでのキャリアに左右されずに評価する姿勢が求められます」(映画ライターA氏)
しかしながら近年、新人賞にふさわしいフレッシュさを兼ね備えた役者が誕生していないことが、映画業界で嘆かれているという。
「昔は映画業界全体に、『新人を発掘して育てよう』という気概があった。1本目がダメでも、2本目、3本目と経験を積ませることで、最初はパッとしなかった新人女優が花ひらくことも多くありました。しかし最近では、その女優自体に集客力がなかったり、事務所の力が強くない場合、1本目でコケたらお払い箱にされることも少なくありません」(映画製作会社関係者)
その背景には、映画に出資する側の「未知数の可能性に賭けるのが怖い」という意識が強まっていることも関係するようだ。
「例えば、橋本環奈を主演に抜てきした16年の映画『セーラー服と機関銃‐卒業‐』は、その大コケがニュースになるほどでした。確かに彼女は、あの時点では実力が伴わなかった。その後、女優というよりアイドル的な人気を得て、その集客力を見込まれ、数々の映画に出演するようになりましたが、ああいった大コケを見ると、新人女優をメインに据えた映画に出資しようとは思わなくなりますよ(映画出資関係者)
19年も、期待されて主演に抜てきされたのに、パッとせずに散っていった新人女優がいたという。
「『ホットギミック ガールミーツボーイ』で乃木坂46の堀未央奈が起用されたものの、全国公開の映画を担うには実力不足だったという印象。また『岡山の奇跡』と称された桜井日奈子も、主演作『殺さない彼と死なない彼女』が興行的に大爆死。特に桜井はそのストレスからなのか激太りしてしまった。ルックスが売りだったのに、これでは今後誰も主要な役ではキャスティングしなくなってしまいます」(同)
では、業界内で注目される実力を兼ね備えた若手女優はいるのだろうか?
「浜辺美波は、かつての宮崎あおいのように、19歳という年齢にはない落ち着きがありながらも、幅広い役をこなせますね。彼女に一目置く業界関係者の間では、『「モスラ」に登場する小美人を、浜辺に二役で演らせたらどうか』なんて声もあるぐらいなので、シリアスな役から女子高生役、怪獣の相手まで何でもハマるでしょう」(前出・映画ライターA氏)
年明けから次々と発表される新人賞の中に、キラリと輝く原石ような若手女優の姿はあるだろうか?
(飛田芹香)