カルチャー
インタビュー

「セブン-イレブン」「ZOZO」「RIZAP」……2019年、企業スキャンダルの“主役”たちを考察!

2019/12/21 16:00
西本頑司
『コイツらのゼニ儲け アコギで、エグくて、ときどき怖い』(秀和システム)

 令和元年も間もなく終わりを迎えるが、今年も多くの企業スキャンダルが噴出し、さまざまなメディアで“転落”を伝えるニュースを目にした。そんな、世間に悪い意味で話題を振りまいた企業や著名人の「ビジネスモデル」は、どのような問題をはらんでいたのだろうか――。今回、金儲けに長けた経営者たちの戦略をわかりやすく紹介した書籍コイツらのゼニ儲け アコギで、エグくて、ときどき怖い(秀和システム、12月18日発売)の著者である西田健氏に、今年何かとニュースになった有名企業「セブン‐イレブン」「ZOZO」「RIZAP」について、その問題点を聞いた。

24時間営業問題に揺れた「セブン‐イレブン」

セブン・イレブン公式サイトより

――今年は、「セブン‐イレブン」に関するニュースをよく目にしました。今年2月、南上小阪店のオーナーが、人員不足により営業時間を19時間に短縮したところ、本部からフランチャイズ(FC)契約違反を理由に1700万円を請求され、さらにFC解約を求められたことが明るみに。以前から、コンビニオーナーの過重労働問題が取り沙汰されていたこともあり、セブン本部への批判が噴出しました。

西田健氏(以下、西田) 今のコンビニって、IT技術の発達によって、儲けようとすれば、どこまでもムチャができるようになっているんですよ。例えば、朝は出勤する会社員向け、昼は近所の高齢者や主婦向け、夕方は帰宅中の学生向け、夜は一人暮らしのOLやサラリーマン向けといった具合に、時間帯によって商品構成を変えることができ、本部には、いろんな企業から新商品やサービスのオファーがあります。

 そのため、本部が儲け主義なら、「あれもやれ、これもやれ、できなければ機会ロスだ、ペナルティだ」とFCのオーナーを追い詰めるようになり、地獄のような職場に早変わりするんですね。2000年代までは、ここまで効率化や儲け主義はひどくなかった。「24時間営業を辞めたい」というオーナーの声が高まっているのは当然だと思いますよ。あと、特に今はバイトの主力が外国人で、オーナーが彼らの対応に苦労しているという話もあります。

――具体的に、どのような苦労があるのでしょうか。

西田 『コイツらのゼニ儲け』にも、オーナーの苦労話として「日本語が不自由なことでバイトが客とトラブルを起こせば、すぐさまオーナーが出て行って謝り、外国人留学生が生活面で苦労していれば、あれこれと面倒を見てやり、国籍違いからバイト同士でケンカをすれば、 行って仲裁する。まさに『雨ニモマケズ』」と書きましたが、オーナーの本音は「もうね、でくの坊と呼ばれていいから、とにかく休ませてくれ。深夜枠だけでもいいので安心して眠りたい」というところですよ(笑)。

 セブン‐イレブンに対し、オーナーが反旗を翻すさまをよく表しているのが、店のテーマソングだったザ・タイマーズの「デイドリームビリーバー」なのではないでしょうか。あの曲のサビ部分って、つまり「寝ぼけるな、目を覚ませ」という内容なんですが、ボロボロのカラダに鞭打って働くオーナーは、その曲をうんざりするほど聞かされるんです。歌詞の意味を知ったオーナーから「目が覚めて」立ち上がっているんでしょうね。

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