形成外科医・上原恵理医師が「おっぱい」のウワサをジャッジ!【その美容法は意味がない!】
――「合掌のように、手のひらを合わせて力を入れる」と大胸筋が鍛えられてバストアップにつながると雑誌に書いてあったのですが、こちらはどうでしょう?
上原 筋トレ自体に効果がまったくないとは言いませんが、合掌ポーズの筋トレでは、絶対にバストアップはできないですね。それぐらいの筋トレで、小さなバストを巨乳に見せるほどの厚みになるなんてことはありません。日本人女性の平均的な大胸筋の厚みは1センチにも満たないほどで、一般的な筋トレ程度で劇的に胸の大きさは変わらない。ボディービルダーレベルのトレーニングをしないと、大胸筋の厚みを実感できませんし、それほどのトレーニングをすると、今度は脂肪が減っていくので、大胸筋が張ったボディービルダーのような胸になってしまいます。
自力でバストを大きくする方法は存在する!?
――豊胸手術とかではなく、自力でバストを大きくする方法はないのでしょうか?
上原 バストが大きくなる要素は2つあります。1つは太ること。脂肪が増えれば、脂肪で構成されているバストも大きくなります。2つ目は、乳腺が大きくなること。乳腺は女性ホルモンによって発達するので、そのような作用が働けば、バストは大きくなります。妊娠中バストアップするのも、そのためです。
――1つ目の「太ること」についてですが、テレビ番組でグラビアアイドルが「太っちゃって、バストだけを残してダイエットをした」と話していました。そんなことはできるんですか?
上原 人間の体は平等に痩せるので、バストだけを残して痩せるなんてことはできません。必然的に、全身が痩せればバストも小さくなる。医療器具や手術をすれば、特定の場所だけ脂肪を減らすことはできますが、ダイエットでは無理です。
――2つ目の「乳腺を大きくすること」は、女性ホルモン含有の育乳サプリメントやクリームを塗れば大きくできるでしょうか?
上原 インターネットを介して個人輸入できる、女性ホルモンが含まれたサプリやクリームなどの商品の中には、サイズアップしたケースもあるようです。ただ、命に関わる危険性や、死亡例が出ている商品もあるので、安易に使うことは“絶対”に避けてほしい。また、健康障害を起こすような成分が入っていない、つまり“合法”なサプリメントには効果がないです。飲むだけ、塗るだけで大きくなるなら、みんな巨乳になっていますよ。
――では、いわゆる「痩せの巨乳」はあり得ないのでしょうか?
上原 少数ですが、真の“痩せの巨乳”は存在します。そのような人は、バストを触ればわかりますよ。脂肪は水のように柔らかく、乳腺は硬いのですが、痩せている人は脂肪が少ないため、触るとゴリッとした乳腺の硬い感触があるんです。そういう人は、たまたま乳腺が大きい家系に生まれた人。遺伝なので、巨乳になる努力はするだけムダ。以上!
上原恵理(うえはら・えり)
2006年群馬大学医学部医学科卒業後、同年東京大学医学部附属病院研修医として勤務。08年に東京大学形成外科医局、10年帝京大学医学部附属病院を経て、18年より表参道スキンクリニック勤務。豊胸や乳房再建の最先端術式を数多く手掛けており、美容外科医の目線から、症例や美容法に切り込んだSNSが話題に。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)や多数メディアに出演するなど、活動の場を広げている。
表参道スキンクリニック表参道院
Twitter:@dr_uehara
Instagram:スキンケア・痩身専門 @eri.uehara
Instagram:外科専門 @aesthetic_surgeon_dr.uehara