『おっさんずラブ』シーズン2に腐女子たちが物申す! 「BLタブーを犯した」の意味とは?
――最初に、皆さんが『おっさんずラブ』にハマッたきっかけを教えてくれますか。
A 私はシーズン1の放送が告知されたとき、「絶対見ない」と思ってたんです(笑)。BLのことを知らない人が、「腐女子はこういうのが好きなんでしょ?」と安易な気持ちで作ったドラマなのではないかなと、邪推してしまって。腐女子は少年マンガを読んで、「このキャラとこのキャラはできてる」と妄想を働かせて楽しむ生き物。だから、腐女子用にあらかじめ作られたものに、興味をそそられないんですよ。でもその半面、気になってはいたので、公式サイトを覗いてみたら、「ん? めちゃくちゃ“受け”の顔をした人がいるぞ?」と。それが、田中圭だったんですけど(笑)。それで、2016年末に放送された単発ドラマを見たら、田中圭がめちゃくちゃ可愛くって、シーズン1初回から見ることにしました。
B Aさんは“牧春”の方なんですね。私はシーズン1に関しては後発組。最近あんまりハマれる作品がないなぁと手持ち無沙汰で、Amazon Primeを物色していたときに、「あぁ最近話題になってるやつね」と思って見始めたのがきっかけですね。気づいたら一晩で一気見(笑)。私、そもそも「ショタ」の人なんで、サラリーマンは許容範囲外なんですが、黒澤部長のコメディ部分が笑えたし、春田と牧のBLストーリーも面白く見ることができました。ちなみに私は、“牧春”も“春牧”もどっちも好きです。
C 私も最初はまったく興味がなくて、でも腐女子界隈で話題になってるのを知って見始めました。“牧春”のカップリングって、BLというか、少女漫画においても超王道。なので、途中からでも「あ、はいはいこれね!」「100億回見てきたやつ」って感じで、入りやすかったんです。
B 「カッコよくて優秀でクールで、でもちょっとこじらせてる」牧と、「天真爛漫でおっちょこちょいで一生懸命で、誰にでも愛される」春田のカップリングは、もう王道中の王道。
A そうそう。シーズン1がなんであんなに大ヒットしたかって、私は「王道だったから」に尽きると思うんですよ。教科書通りだから、大半の腐女子が安心して見られたんじゃないかなって。女性キャラクターも教科書通りという印象。荒井ちずは、春田の幼なじみで、彼のことをよく知っていて、淡い恋心を抱いているんだけど、でも彼の幸せを思って背中を押す……これぞBLのモブ女(笑)。ストーリーも教科書通りですよね。途中いったんはくっつくんだけど、ゲイとノンケゆえのすれ違いによって関係が崩れかけ、でも最終的には「やっぱりお前がいい」と気づいてハッピーエンド。
C 最後の最後にくっつくんじゃないんですよね(笑)。やっぱり、延々すれ違いを見せられてもつらいだけだし、要所要所に胸キュンシーンがないと。だから、いったんくっつく展開は王道なのかなと思います。みんな、風邪を引いた牧を春田が看病するシーン、鬼リピしたでしょう?
B もちろん!! あれが見たいんですよ、腐女子は(笑)。大好きな2人が、イチャイチャしてるところが見たい。私はシーズン1って、林遣都の演技によって支えられていたと思ってるんです。湿度があるんですよ、彼の演技には。第4話で、春田が食事中の牧に「俺も食べたい」と言ったとき、「あげないよ」と意地悪く返すシーンがあって、この「あげないよ」はアドリブなんですが、その言い方や表情、視線、全てから牧の春田への感情が伝わってきて……牧の心の機微を感じられたのが、腐女子としてシーズン1にハマッた理由ですね。