コラム
【連載】スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコの“教祖様”注意報

「お金の神様に可愛がられる」? 藤本さきこ氏、ビジネス指南に見せかけた“スピリチュアル本”の実態

2019/12/06 21:00
黒猫ドラネコ(ライター)

 藤本さんは、自身のブログでせっせとセミナーの宣伝をするだけでなく、札束を手にポーズを決める自撮り写真を掲載し、仲間と優雅にお食事をする華やかな日々も発信。ブログの読者を大いに刺激しているはずです。これに感化された人たちが、角川本社ビルで行われる藤本さんのセミナーや、KADOKAWAが企画する藤本さん同行の海外ツアー「ラグジュアリー読書会in Paris」に参加するのでしょうか? ちなみにこの読書会、渡航費を含まず現地集合・現地解散、3泊するホテルは参加者で相部屋なのに、お値段なんと52万円。これは“お金の神様”に愛された人じゃないと、参加できませんねー(棒読み)。

 実際、参加者はお金も時間も腐るほどある人がほとんどなのだと思います。しかしその一方で、必死にお金を工面して参加する人もいるようです。藤本さんは18年10月17日更新のブログにて、読書会参加者に向けた説明会と懇親会を行なったと報告。その場で参加者から、「お金の工面はどうしてるんですか?」という質問が出たそうです。これに対し、藤本さんは「今まで参加してくれた方」に聞いた話として、「これは手をつけない」「使っちゃダメなお金」を出して参加した人がいる、と明言しています。さらに具体的な答えとして、「子供の学資保険」「積み立て貯金」「保険」という話まで。続けて、「最初からあったお金をParis資金にしたりしたようです(ハート)後悔とか一切してないみたい。笑」とつづられていました。

 苦い思い出がよみがえります。連載当初に明かした通り、私の妹は「子宮系スピリチュアル」にハマり、自分でも制御できないほど、金銭感覚が麻痺してしまったのです。セミナーに通ったり、グッズを購入したりするために、家族旅行の貯金を崩し、学資保険の解約を画策。これが明らかになり、妹の家庭は崩壊寸前の状態にまで陥りました。家族のお金に手をつけることが、“破滅の道”につながる実例があるのです。この状態を笑っていられるのは、藤本さんを含む“教祖様”だけでしょうね。

危険な教祖様の“信頼度”を高めるKADOKAWA

 私が藤本さんを恐ろしいと感じるのは、多数の“信者”が読んでいる自身のブログで、時に厳しい人心掌握の手腕を見せることです。例えば、19年10月7日の更新では、金銭面の理由から「認定講師トリップ」なる旅行に参加できなくなった人の名前を挙げ、「直前で突然キャンセルしたらしい」「お父さんにも彼にもお金貰えなかった」「一番、行く気満々やったよね!?笑」と、本人的にはあまり知られたくないであろう事情を晒しています。さらに19年1月28日には、「アンチに愛をかけてみた」と題したエントリーで、「数年前からいちいち入ってくるキモいアンチがいたのですが(いちいち存在をアピールしてくる)お金をかけてみたんです。特定して、裁判所からお手紙を出しました」と、弁護士をつけたことを明らかにしました。

 こうした藤本さんの発言は、金銭面の事情から講座を辞めたい受講者を「私も晒されるのではないか」と不安にしたり、批判の声を潰したりすることにはならないでしょうか? 現に、私の周りの“スピウォッチャー”は、訴訟を怖がって藤本さんの話題をネット上でほとんど出さなくなりました。自身を批判する人の何をどこまで「アンチ」だと判断するかはわかりませんが、このエントリーを読んだ人が藤本さんに“萎縮”してしまうことは確かです。

 それにもまして、私がドン引き&血の気も引いた記事といえば、19年6月24日更新の「『死産』という素敵な経験の話」。不幸にも、藤本さんご自身が死産してしまったことや、火葬についての内容でした。つらい出来事をポジティブに考えることはあるにしても、なんと「死産にもオススメ!!」と、ブログ内で布ナプキンなどを宣伝しているのです。さらに、ベッドの上で撮影された、胎児の遺体(モザイクあり)との “ツーショット画像”まで……。これはさすがに、ネット上で「晒された赤ちゃんが気の毒」「子どもの死をネタにするな!」と批判の声が上がっていました。記事の削除要請を出した人もいたとか。それだけ、世間が藤本さんの言動に驚いたということでしょう。

 「お金の神様に可愛がられる」というぼんやりとした目標を掲げ、成功者のごとく優雅な生活を見せびらかす藤本さん。KADOKAWAという大手出版社がバックにいれば信用度が高まり、「私もこうなれるかもしれない」と夢を抱く人が増えるはずです。誰もが知る企業がバックについていても、やっていることは不確かな成功マインドを高額で売り、夢見がちな人から搾取する“信者ビジネス”にほかなりません。思想や信条は自由ですが、甘い言葉や企業の名前に釣られて、藤本さんを妄信することがないようにしてほしいものです。

 ということで、今回が年内最後の更新です。今年はこのコラムを書く機会をいただき、貴重な1年になりました。2020年は、怪しいスピリチュアルや胡散臭いセミナーなど、“変なもの”にハマる人が劇的に減る1年になることを願っております。
(黒猫ドラネコ)

黒猫ドラネコ(ライター)

九州出身、都内在住のアラフォー。ネット上にはびこるスピリチュアル・ビジネス、自己啓発セミナー、陰謀論などを観察するライター。スポーツ観戦も趣味。3食スイーツでもいい甘党。LINEマンガ『妻が子宮カルトに沼りました』連載中。

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X:@kurodoraneko15

黒猫ドラネコ【トンデモ観察記】

最終更新:2019/12/06 21:00
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