妻の不倫ブログを数年間追い続ける“サレ夫”……「財産はビタ一文渡さない」離婚への執念
家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
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最近、パートナーに婚外恋愛をされた夫を「サレ夫」、妻を「サレ妻」と言うらしい。これらのワードはネット上で広く知れ渡り、「サレ夫」「サレ妻」が集まる掲示板では、パートナーへの愚痴や復讐方法について、日夜盛んに意見交換がされていることもある。
この連載では、いつも婚外恋愛をしている女性に話を聞いているが、今回は趣向を変えて「サレ夫」に取材を行った。
「ようやく私の我慢が実る時が来る……そう考えると今からワクワクしますよ。もしかしたら僕も、生涯最後の恋愛ができるかもしれない、なんて考えたりして」
そう語る仁さん(仮名)は、現在妻と家庭内別居中だ。結婚して20数年、郊外に家を建て、2人の子宝にも恵まれた。専業主婦である3歳年上の妻と不仲になったのは、今から約2年前のことだという。
「上の子どもが独立して、自宅を出ていき、下の子が成人した頃からですね……原因は、妻の様子が次第に変わってきたこと。もともと妻は気が強い方だったのですが、年を重ねるごとにヒステリックになってきて」
仁さんは当初「更年期障害なのかな?」と思っていたというが……。
「そうではなく、潜在的にそういう性格だったんでしょうね。最近の言葉だと『毒親』っていうんですか? 思い返せば、昔から、子どもたちに対しては威圧的な態度で接することも多かったです」
奥さんの高圧的な態度の矛先が、子どもから仁さんに向けられるようになったということなのかもしれない。「あなたの帰りが遅くて食事の片付けができない、風呂に入れない」など、朝から晩までガミガミと仁さんに当たるようになったのだという。
「妻の言い分もわかりますが、とにかくヒステリックな態度がきつくって。下の子も、母親にあれこれ高圧的に言われるのがストレスになるようで、春からは一人暮らしをすると言っています。でも、怒りの矛先が子どもから私に向き始めたのには、上の子が家を出たから以外、別の理由があったんですよ」