カルチャー
インタビュー

女性のセルフプレジャーは「趣味」でいい―― アダルトグッズに抵抗ない20代女性の意識とは

2019/12/08 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman
Photo by Hiroyuki Ishizawa from Flickr

 バイブレーターやデリケートゾーンのケア製品を扱う女性向けセルフプレジャーブランド「iroha」が、百貨店である大丸梅田店に常設店をオープンさせたことが話題になっている。女性の性欲やセルフプレジャーがタブー視される状況に変化が生じだしたと見えるが、アダルトグッズメーカーはそれをどう捉えているのか。前編では、「iroha」広報チームに取材を行い、「セルフプレジャー=ヘルスケア」という空気が日本で生まれつつある実感について語ってもらったが、後編では、アダルトショップを展開するとともに、自社メーカーからさまざまなグッズを販売している「ワイルドワン」の広報・泉由香氏に話をお聞きした。

(前編はこちら)

若い世代は堅実、だからこそアダルトグッズを使うことも?

――近年、“女性の性欲”や“女性のセルフプレジャー”に対する世間の反応に、変化が生じていると感じることはありますか。

泉由香氏(以下、泉) ありますね。この仕事を通して実感しているのは、「アダルトグッズに抵抗がない20代女性が増えている」ということ。「パートナーとのセックスをより良くしたい」とか「自分が気持ちいいスポットを知っておきたい」とか、目的を持って購入する女性が、特に若い世代に増えたように思うんです。「ワイルドワン」は通販サイトも展開していますが、店舗に足を運んで、現物を見ながら選ぶという方も結構いらっしゃいますよ。自分好みの洋服を選ぶのと近いような感覚で、アダルトグッズを購入しているようにも感じます。

 いまの20代は、物心ついた頃から、スマートフォンやパソコンが身近にあった世代。ちょっと検索すればアダルトな情報が簡単に手に入り、エッチな動画も無料で見られるので、彼女たちは早い段階から幅広いアダルト情報を知識として持っています。また、そのような方法で得られる情報は、ニッチだったりハードだったりすることが多いので、バイブや電マを持っている/使っているくらいは、そんなに特別ではない、普通のことだと感じているのかもしれません。実際、若い世代ほど、アダルトグッズを購入して使っていることを普通に話しますし、感想なども恥ずかしがらずに聞かせてくれますよ。女性がSNSなどにアダルトグッズを使用した率直な感想を上げ、それを見た男性が、より女性に好まれる方を選ぶようになった……という話もあるくらいです。

――「いまの若い子はセックスに興味がない」とも言われていますが。

 確かに、いまの若い世代は「堅実」という面はあると思います。ただ、だからこそ、欲求のままよく知らない男性とセックスをして、性病を移されたり、望まぬ妊娠をしたり、トラブルに巻き込まれたりする心配を抱くくらいなら、「アダルトグッズを使ってみよう」となる人もいるのではないでしょうか。性経験のない女性、見るからに真面目そうな女性も、店舗にアダルトグッズを買いに来ますよ。私もこの仕事を通して、「無駄なセックスをして心をすり減らすくらいなら、グッズを使ってください」と若い世代に向けて発信し続けています。

――アダルトショップに足を運ぶ若い世代は、特に「性に対する意識が高い」という傾向もあるのかもしれません。そういった人にとって、大丸梅田店での「iroha STORE」常設店オープンは、どのように捉えられていると思いますか。

 若い世代には「百貨店でバイブレーターが販売されているくらいでは驚かない」という人も多いのではないでしょうか。ただ、百貨店のターゲットは年齢層が高めなので、その世代の方にとってはサプライズだったのかなと思いますね。

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