カルチャー
フェミニスト座談会【後編】

「フェミニストって、なに?」座談会【後編】日常で“違和感”“疑問”を感じたら変わるとき

2019/11/28 21:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

左から、赤谷まりえさん、相川千尋さん、super-KIKIさん、宮越里子さん

――最後に皆様の考えるフェミニズムについて教えてください。

宮越 最初に読んだベル・フックスの『フェミニズムはみんなのもの』(新水社)という本から引用させてもらうと、「フェミニズムとは性に基づく差別や搾取や抑圧をなくす運動や思想」という考えが第一にあります。シスヘテロ(生まれた時に法律で決められた性別と違和がなく、異性愛)の男性中心社会から開放された上で、新たな”中心”と”周縁”を作らないことが私の考えるフェミニズムです。

相川 フェミニズムの有名なスローガンで「個人的なことは政治的なこと」っていうのがあるんです。日常で自分が感じる、モヤモヤや引っかかり、ザラッとした違和感が制度や構造、社会など大きい部分につながっていくことだと理解するのが大切だと思っています。

赤谷 フェミニズムを宗教やルールのような存在にしてしまう人っているんですけど、私は「本人がより生きやすくなるために使う道具の一つ」だと思っています。フェミニズムは従う種類のものではない。誰もが生きやすくなるために使う一つの思想。「自分のことを決めてきたのは、実は自分ではなくて、社会や世間や他人の価値観・すり込みだったのかも」ということに気づくため、そして理解するための道具だととらえています。

KIKI まず、私たちが決められた性によって縛られていることや、抑圧されていることを認識するのがフェミニズムの一歩なのではないでしょうか。縛っているロープがどこへつながっているのか、誰がどうやって縛っているのか。そして、自分がそのロープを握ってしまってはいないか。さらに、どうやったら解けるのかと考えることがフェミニズムなのではと思います。“ロープ”は加害や暴力のシステムだったりするので、自分でもしていないか、誰かにされていないかを常に確認していきたいです。

最終更新:2019/12/23 11:36
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