カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「ar」11月号

「ar」の読モは「ニセうぶ毛」を仕込む!?  20代に「赤ちゃんレベルの若返り」を求める衝撃

2019/11/02 16:00
島本有紀子
「ar」2019年11月号(主婦と生活社)

 「ar」(主婦と生活社)11月号は、「好きバレ顔で恋愛成就!」と題したビューティ特集号。「好きバレ(ハート)メイク」「令和のモテ眉」「恋落ちリップ」などのモテメイク企画から、「I am恋(ハート)ストライカー」「天下無敵のベーグル女子になる!」「曖昧Meなレングスが気になっちゃって…」などタイトルだけでは何のこっちゃなハイテンション企画まで目白押しです。

 「ar」を読んだ後は毎回、そのノリに染まってしまい、アルコールを摂取したかのようなぼーっとした感覚になるのですが、今月号はそこを引き締めるスパイスとなるページも。夢を見せるだけじゃない今月号の中身、早速見ていきましょう!

<トピックス>
◎今より可愛くなる方法
◎「あの人にいざ、会いに行きます(ハート)」松尾スズキ
◎連載コミック『ショジョ恋。』

心の余裕は、鼻のワキに出る

 最初に取り上げる「今より可愛くなる方法」は、「女子にとって“可愛い”は永遠のテーマ。だけど常にタイム・イズ・マネー」という、激しく共感する一文から始まるビューティ企画。「ナチュラルなのにデカ目になれるアイメイク」や「即色っぽな微熱チーク」など、魔法のようなメイクを中心に紹介しています。

 中でも気になったのは「人生うまくいってます感漂うゴキゲン肌のつくり方」。それによれば「焦り感ゼロ、心の余裕を醸し出しているオンナ」たちには、「鼻のてっぺんじゃなくて、そのワキにトゥルンってツヤという名の“光”が感じられる」とか。眉頭の上、目頭、鼻先の横、あご先の計7か所に「トゥルンってツヤ」を塗るとよいと説かれています。

 人生うまくいってます感が漂う人間の、鼻のワキまで凝視したことなど、これまで生きてきて一度もなかった。そこからして、美を追求する者としての素質が足りないのだ……と考えさせられました。これからは素敵な人を見かけたら、まず鼻のワキを見てみます。

 さらに「今すぐ可愛くなれる! 裏技つぶやき」というコーナーでは、読者モデルやスタッフからの裏技を紹介。あるライターは「『可愛い』の代表格」として赤ちゃんを挙げ、「大人になっても可愛い人って、赤ちゃんと一緒で、表情が豊かでピュア」と語っています。また別の読者モデルも「赤ちゃんみたいなピュアさに憧れて、前髪の下にあえてうすーく短い『ニセうぶ毛』を仕込んでもらってます!」とのこと。

 対象年齢が上の女性誌ではよく「若返り術」が特集されたりしますが、20代前半~半ばが対象と思われる「ar」では、赤ちゃんレベルまでの若返りを求めるのか! と衝撃です。

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