サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」渡辺直美にあってゆりやんにないもの コラム 女のための有名人深読み週報 渡辺直美にあって、ゆりやんレトリィバァに“ないもの”とは? きわどい星条旗柄の水着に思うこと 2019/10/17 21:00 仁科友里 女のための有名人深読み週報 ゆりやんは、水着を着る必要性がない? なぜ、私はゆりやんを「我が強い」と感じたのか。 ゆりやんは『America’s Got Talent』に、角刈りのカツラをかぶり、星条旗柄の水着で出演していた。かなりきわどい角度の水着なので、少し動けば乳首がポロリする可能性は大だ。この水着がよほど気に入っているのだろうか、ゆりやんは日本で開かれたオーディション『アポロアマチュアナイトジャパン2019』にも、同じいでたちで出場。このオーディションは、上位3組に選ばれれば決勝進出、優勝すれば本場アポロシアターで開催される『アマチュアナイト・スーパー・ドッグトップ』に出場することができるというもので、審査は観客の声援とブーイングのみ。声援が多ければ合格であり、ブーイングが多ければ退場となる。 ゆりやんは、そんなオーディションで、ダンスとポールダンスを披露したが、ブーイングを浴びて退場。日本では観客がブーイングするという習慣があまりないので「日本の方にやられると、若干ショックです(笑)」と話していたという。 ネットでは「下品」とか「不快」という意見も見受けられたが、私がまず思うのは、そもそも、ゆりやんは、あのパフォーマンスにおいて、水着を着る必要があるのかということである。 例えば、世界進出するオンナ芸人と言えば、渡辺直美を思い浮かべる人もいるだろう。直美も露出の高い衣装を着てビヨンセの口パクをしたり、扇情的な表情を浮かべることがある。これがバッシングされないのは、それらが“芸”に必要だからではないだろうか。きわどい衣装であっても、グラマラスなビヨンセというアメリカの大スターを連想させるための“道具”という意味で、正当性がある。しかし、ゆりやんの場合、まず何が彼女の芸なのかという骨格がはっきりしないため、あの水着が必要であるかどうかも不明瞭なのだ。 もう一つ、直美にあって、ゆりやんにはないもの。それは主義もしくは個性である。『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演した直美の話によると、彼女のデビュー当時、オンナ芸人は「オンナを捨てろ」という考え方が主流で、直美のようにメイクやファッションを楽しんでいると、先輩に「おかしい」と指摘されることもあったそうだ。しかし、直美は「こういう格好が好きだから」という姿勢を貫いた。本業でブレークしたこともあるだろうが、周囲も次第に「それが直美だよね」と個性として認めてくれたという。一方、ゆりやんも、ファッション界に進出するなどしているが、直美のような主義が見えないからか、「渡辺直美の二番煎じ」といった見られ方をしている印象だ。 それに、直美のビヨンセの口パクはよく考えてみると、「ビヨンセっぽい」けれど、「ビヨンセのコピー」ではない。直美が解釈したビヨンセを演じているのであり、これは完全なオリジナルである。対して、ゆりやんはどうだろうかと言うと、自身のインスタグラムで、見事なポールダンスを披露しているが、ポールダンスがうまい人なら本職のダンサーを含めて、ほかにもたくさんいる。これに何かをプラスしないと個性になると私は思わない。直美には外見を含めて「こうありたい」という主義・個性を感じるが、ゆりやんからそういうものを感じないのだ。だからこそ、ゆりやんは、ただの「我の強い人」に見えるのかもしれない。 余談だが、2004年の『第38回スーパーボウル』のハーフタイムショーで、アメリカの超大御所歌手、ジャネット・ジャクソンがジャスティン・ティンバーレイクとのデュエット中に片方の胸をポロリさせる事件があった。アクシデントなのか意図的なものかは不明だが、生中継したテレビ局には視聴者から抗議が殺到し、多額の罰金を支払うことになったそうだ。ゆりやんが今後、個性や主義を手にして、オーディションに受かり、アメリカで仕事をするようになったとして、ポロリする可能性のある、訴訟リスクの高い人をテレビが使いたいかと言うと、首をかしげてしまう。 日本とは段違いの訴訟社会アメリカ。そこで本気でやっていこうと思うなら「いろいろ気ぃつけてがんばりや~」とゆりやん風にエールを送らせていただく。 仁科友里(にしな・ゆり) 1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。 前のページ12 最終更新:2019/10/17 21:00 楽天 泣かせてくれよ (ゆりやんレトリィバァ盤) 直美の後を追いすぎているのがつらくなる 関連記事 道端アンジェリカ、夫の逮捕報道を通して見えてきた「実はカネに執着ナシ」の一面松本人志、「嫁とカネ」の話に募る不安――「遺言状を書いておくべき」と進言したいワケ「萬田久子との関係」を暴露された西野亮廣、その狼狽ぶりに見る「性に関する固定概念」『おぎやはぎの「ブス」テレビ』に考える、「不美人」があざけられることのおかしさ眞子さまと小室圭氏の結婚問題に悩まれる紀子さまへ。「ネットを見ない方がいい」と進言したいワケ 次の記事 JUMP、ドーム公演が2000円!? >