元女囚が考える元受刑者の就職――受刑者等専用求人誌『Chance!!』のすごいところ
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
和歌山刑務所で就職説明会
9月27日、私の母校(?)でもある和歌山刑務所で、就職説明会が開かれたそうです。飲食店やタクシー会社など県内の企業20社の担当者が来て、出所後に就職を希望する34人に説明してくれたそうです。「82歳の受刑者」も聞いてたそうで、がんばってほしいですね。それに、「親の目線になって社会復帰のお手伝いをしたい」と話した担当者の言葉にもウルっときました。
これから少子高齢化がますます進む中で、働き手が減りますから、元受刑者もどんどん働いてほしいですね。
日本初の「受刑者等専用求人誌」も登場
最近では、日本初の「受刑者等専用求人誌」『Chance!!』も、不良の間では知名度が上がってきています。『Chance!!』は年4回発行、建設業や製造業、飲食店やタクシー会社などからの求人が掲載されているそうです。
すごいのは添付されている履歴書で、なんと非行歴・犯行歴や刺青の有無、被害者との関係、再犯防止のための決意などを書く欄もあります。作っているのは、ヒューマン・コメディ代表の三宅晶子さん。なんとご本人も「元不良」だったそうです。やっぱり不良の気持ちは不良じゃないとわかりませんからね。
いろんな方がいろんな形で元受刑者の再就職を応援してくれているのは、OGの私としても、とてもうれしいです。
とはいえ難しいですね、元受刑者の再就職……。もし雇ってもらえても、働き続けるのは簡単ではないですよ。理由はたくさんあると思います。
雇い入れるほうは「とにかく忙しいから、誰でもええから来て」いう感じやし、雇われるほうも「とにかくどこでもええから働かせて」いうことです。これでうまくいくと思います?
誰も働きに来てくれないのは会社にも問題があると思うし、働くほうにも向き・不向きがあります。男なら誰でもバリバリ健康で建設業とか力仕事ができるとは限りませんし、女性だって「女性らしい気配り」ができる人ばかりではないですよ。