「四柱推命」のまがい物「子宮推命」のおかしさ――子宮委員長はる“信者”がデタラメ布教中
最近更新された假屋さんのブログには、最後に必ずこの教材が宣伝されており、その中には「DVDを購入した方のみ、子宮推命講師と呼んでいます。講師の方々は鑑定だけでなくスクールを開講して子宮推命鑑定士を育てていくこともOKです」との記述があります。さらに、今年8月8日に更新された假屋さんのインスタグラムでは、「子宮推命講師の人たちには、知識が無くても自分が『こうだ!』と思う自由な発想と解釈の可能性を、私を通して見つけてもらえたらいいなあ」とコメント。要するに、教材を買って占いを学ぼうとしている人に、販売者自ら「適当に占っていいし、それを広めてもいいよ!」と告げているのです。
同じ投稿の中で、假屋さんは「子宮推命」について、「占いの統計データという知識をあてにせず、私自身が今『こうだ!』と思うことを勝手に星の解釈にしている占いです」と、自ら“デタラメ占い”だとぶっちゃけています。「自由な発想と解釈」「私自身が今『こうだ!』と思うこと」は、もはや鑑定でもなんでもないように思えます。これが“占い”だと認められるなら、そもそも高額な教材を購入して、ノウハウを知る必要もないのでは?
疑問ばかりが湧いてきますが、「子宮推命士」を名乗っている人は、ネット上にゴロゴロいます(假屋さんが運営する「子宮推命」のホームページから、「全国の子宮推命講師紹介」のページに飛んでみてください)。多くの人に浸透している(ように見せる)ことで、発案者自らデタラメを公言している占いに説得力が生まれ、「噓から出た実」状態にならないとも限りません。「四柱推命」を生業としている占い師の方や、真面目にスピリチュアルを探求している人は、「子宮推命」にもっと怒りを感じ、批判してもいいのではないでしょうか。
怪しいスピリチュアルに“特別な力”は必要ない
最近の假屋さんの動向をウォッチしていると、現在「ハワイ留学」を満喫中とのこと。「往復ファーストクラス」「1カ月半で300万円の宿泊費」など、景気の良いワードが目に付きます。そんなタイミングで、“新商品”とも言うべき「御社(おやしろ)鑑定」なるものを販売開始。メールでの鑑定が5万円、対面だと60分15万円(ともに税別)だそうです。なるほど、そりゃ高級ホテルにも泊まれるわけだ。
今年8月28日更新の假屋さんのブログによると、「御社鑑定」とは「会社の命式、開業届を出した日の命式と代表者の命式をビジネス視点で読み解いていく」ものだそう(編注:「命式」は四柱推命で使われる用語で、その人の性格や適性、運勢全体を判断する表のこと)。9月5日のブログでは、「会社や屋号」について、「ちゃんと意志を持った大きな生命体です。本当だよ」と明言。さらに、「運気が具現化された 会社や屋号という その存在はまるで 天と地を結ぶ龍」「会社や屋号は、どこまでも私を乗せて 大きく拡大繁栄のサポートをする 生き生きとした生命体です」と話が大きく膨らみ、あらぬ方向へ飛躍します(その龍、どっから出てきたの?)。
何を言っているかよくわかりませんが、とにかく“子宮系女子”が好みそうな、スピリチュアルなワードが盛りだくさんなことはわかります。以前、子宮委員長はるが、“信者”へ開業を勧める「自分ビジネス講座」なるものを始めた、という話題を取り上げました。その際、「自分自神(じぶんじしん)」というワードを使っていることにも触れましたが、假屋さんもまた、「天と地を結ぶ龍」は「容易く自分自神には 近付けさせない」と説いています。こうしたことから、假屋さんは「自分ビジネス講座」に触発されて開業届を出した、子宮委員長はるの信者をターゲットにしているのでしょう。いろんな意味で、“うまい商売”です。
今まで取り上げた“教祖様”と比較すれば、假屋さんはまだ広く世間に知られているとは言えないでしょう。しかし、彼女の登場で考えてほしいのは、ネット上にはびこる怪しいスピリチュアルや占いは、何の根拠も軸もない、“教祖様のオリジナル理論”から生まれたものばかりだということ。この業界は、特別なパワーや、未来を予知する能力は必要ありません。なぜなら、自分の嘘で人の心を操り、引き返せない所までお金を払わせても、罪悪感を一切感じない“動じない者”だけが勝つからです。
■黒猫ドラネコ
大分県生まれ、大阪を経て東京都内在住の36歳。職業、性別は非公表。身内が「子宮系女子」となって壊れた経験から、怪しいスピリチュアルや自己啓発セミナーなどの監視と注意喚起を開始。本当の趣味はスポーツ観戦、漫画・アニメ鑑賞。3食スイーツでもいい甘党。
Twitter/ブログ「黒猫ドラネコのブログ(仮)」