コラム
【連載】スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコの“教祖様”注意報

「四柱推命」のまがい物「子宮推命」のおかしさ――子宮委員長はる“信者”がデタラメ布教中

2019/10/02 21:00
黒猫ドラネコ
「子宮推命」公式ホームページより

 誰にでも、心が弱ってしまう時はあります。救いを求める先が、信頼できる家族や友人ではないこともあるでしょう。「こうすれば幸せになる」と語りかける心理カウンセラー、スピリチュアリスト、霊能力者。彼らを見ていると、「私を救ってくれそう」「この人たちのようになれるかも」と、次第にそんな気持ちが膨らみ……ちょっと待って! それ、本当に信じて大丈夫? スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコが、無責任なことばかり言っている“教祖様”を、鋭い爪でひっかきます。

 「四柱推命」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「占いの帝王」と言われる程よく当たると評判で、スピリチュアルの世界ではポピュラーな占いです。今回は、その“まがい物”である「子宮推命」を紹介します。……そう、怪しいスピリチュアル界隈の代表格とも言える、あの「子宮委員長はる」がまた登場します。

 「四柱推命」は古代中国を起源とし、中世以降に広く普及した歴史がありますが、「子宮推命」は假屋舞さんという女性が、最近考案したものです(この時点でもううさんくさいんですけど!?)。假屋さんご本人のブログは、2015年3月21日に最初の投稿がされており、「6年間、ガールズバー、キャバクラ、風俗で働き現在は雑貨屋の店長をしております」との自己紹介が。四柱推命との出会いは、「信頼している女性からの紹介だった」そうで、「元々占星術とかスピリチュアルなことが好きだった」「勢いで鑑定師を目指すことにした」とつづられています。その後、「相性鑑定の使い方」といったハウツー的な内容から、個人セッション(鑑定)の受け付けなどの更新が続き、すぐに「四柱推命鑑定士の舞」と名乗るようになります。

四柱推命と“子宮系女子”の出会い

 15年12月27日の更新では、「子宮委員長はるちゃんを鑑定」したとの記述が登場。同年9月に『子宮委員長はるの子宮委員会』(KADOKAWA)が出版され、「子宮委員長はる」の名前が売れ始めた頃です。假屋さんは同記事の中で、「四柱推命の鑑定書=子宮の声」とめちゃくちゃなことを言い始め、「四柱推命式子宮メソッドにしようかな」「もっと四柱推命を知ってほしいし、潜在意識や子宮の声との繋がりを追求していきたい」と、今後の展望を語っています。ちなみに、現在「八木さや」と名前を変えている子宮委員長は、18年末に長崎県壱岐市へ移住していますが、それまで住んでいた都内の自宅は、現在、假屋さんが住んでいるそう。2人が単なる「教祖と信者」「占い師と客」の関係ではないことが、このことからわかるでしょう。

 假屋さんのブログを読むに、「子宮推命」は彼女個人の思想や、研究に基づいて生まれたものではなく、子宮委員長が提唱した「子宮メソッド」の影響を強く受けているようです。「そんなもんがまかり通るのかよ!」と思いますが、16年4月15日に更新された假屋さんのブログには、「四柱推命の師匠」である鳥海伯萃氏に「子宮推命鑑定士でやっていく」ことを相談しに行き、その結果「子宮推命大絶賛、大賛成」されたと、喜びがつづられています。假屋さんはこれにより、「子宮推命」に“お墨付き”を得てしまったのです(おいおい師匠、なんてことしてくれたんだ……!)。

 晴れて正式に(?)誕生した「子宮推命」ですが、假屋さんはそのノウハウを詰め込んだ教材一式を販売しています。お値段、なんと30万円(税別)。もう一度言いますが、「子宮推命」は子宮委員長の影響を強く受けた1人の女性が始めた、えたいの知れない占いです。それを学ぶ教材に30万円の価値があるのかどうか、冷静になって考えればわかるはずです。値段にも頭を抱えますが、もっと衝撃的なポイントは、假屋さんがこの教材を使って、新たな“子宮推命士”をどんどん生み出そうとしていることです。

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