少年犯罪や非行少女は他人事じゃない【刑務所のアイドルPaix2(ペペ)×元レディース・中村すえこ】
元レディースの総長で少年院送致の経験もある中村すえこさんが監修・監督を務めた教育映画『記憶 少年院の少女たちの未来への軌跡』が完成、上映会が続いている。映画では、少年院を出院(≒卒業)する直前の4人の少女が中村さんに収容の経緯や今の思いを明かし、一部に再現ドラマも織り込んだ。今回、少年院や刑務所の慰問で「Prisonコンサート」を続けている“刑務所のアイドル”こと女性デュオPaix2(ペペ)のお2人と中村さんが対談。前編では、少年院の少女たちの家庭環境や更生について話を聞いたが、後編では、それぞれの活動を続ける意味と今後について語ってもらった。
■やり直したいと思っている子たちを応援したい
――後編では、映画のお話とともに、中村さんとPaix2(ペペ)のお2人の活動についてもお聞きしたいと思います。作品は商業映画ではなく、クラウドファンディングや寄付を募って資金を集めて「教育映画」として製作されていますね。
中村すえこ(以下、中村) はい。学校などでの上映も目指しているので、入場料は無料です。今後も月に1回ほどのペースで無料上映会を予定しています。
――中村さんは、少年院出院者を支援する団体「NPO法人セカンドチャンス!」に参加されて女子少年院での講話を続けていらっしゃるほか、働くシングルマザーで、大学生でもあるんですね。
中村 はい。国内にある9カ所の女子少年院全部に伺いました。「人生、何度でもやり直せるよ。この私だってできたから、大丈夫!」というようなお話をさせていただいています。やり直したいと思っている子たちを応援したいですね。大学では、社会科の高校教員免許を取得するために学んでいます。大学の授業でライフストーリーを語る機会があり、私が少年院時代のことを含めて話した時に、「非行は他人事ではない」と、周りの学生たちにも理解してもらえたんです。直接話すことや映像は伝わるんだなと、改めて思いましたね。