サイゾーウーマンカルチャーインタビュー少年犯罪や非行少女は他人事じゃない カルチャー ドキュメンタリー教育映画『記憶』公開記念座談会 少年犯罪や非行少女は他人事じゃない【刑務所のアイドルPaix2(ペペ)×元レディース・中村すえこ】 2019/09/08 19:00 サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman) インタビュー対談少年院 慰問の際に許されているのは、歌い終わった後の拍手だけ Manami ――すばらしいことですね。お2人は、歌手になる前に、別のお仕事をされていたんですよね。 Manami はい、私は大学の研究室にいて、Megumiは看護師でした。別々に「日本縦断カラオケ選抜歌謡祭」の鳥取大会に出場して、主催者から「デュオでやってみてはどうか」と声をかけられたんです。 ――今のマネジャーさんですね。デビュー後は、地元のテレビやラジオに出演されて、「一日警察署長」も務められています。 Manami それで、署長さんから「歌がさわやかだから、刑務所で慰問をしてはどうか」と言われたんです。 ――怖くなかったんですか? Megumi 怖かったというより、最初は刑務所の雰囲気に圧倒されて、とても緊張しました。 Manami 今はだいぶ変わりましたけど、以前はみんな灰色の服装で、色のない世界だったんです。 Megumi 慰問の際、受刑者の皆さんに許されているのは、歌い終わった後の拍手だけ。それ以外は何もしてはいけないので、とても静かで。「私たちがコンサートして、本当によかったのかな」って落ち込みました。でも、あとで感想文をいただいて、「楽しかったんだ……」とわかりました。 中村 それが今では刑務所のアイドルですからね。ストーカーとか、怖い思いはしないんですか(笑)? Manami・Megumi (2人同時に)今のところはないです(笑)。 Megumi 一般のライブの時に、物販コーナーに黙って1万円札を置いて立ち去っていく人がいて。慌てて追いかけると、「いや、何かの足しにしてください」と言って帰っていかれました。 ――その方も、元受刑者さんなのでしょうね。 Megumi たぶんそうだと思います。 中村 でも、1万円札を置いていけるということは、出所後も生活できてるということですよね。 Manami そう思います。刑務所でもらう「作業報奨金」の封筒を、封を切らずに持ってきてくださった方もいらっしゃいます。さすがにいただけなくて、福祉施設に寄付させていただきました。 中村 報奨金はすごいですね(笑)。いろんな方に応援されているんですね。お2人が、お金が目当てじゃないって伝わっているんでしょうね。 次のページ 摘発される少年犯罪は減っていても、再犯者は多い 前のページ1234次のページ Yahoo Paix2/しあわせ 関連記事 覚醒剤、万引、パパ活、整形――少年院の少女たちの事情【元レディース総長・中村すえこ×刑務所のアイドル・Paix2】 罪を犯した人がやり直すために何が必要か 元レディース総長が、行き場のない少女たちを支える理由90年代伝説のレディース総長が読み解く、『ヤカラブ』の現代ヤンキー少女の恋とセックス大盛況の府中刑務所文化祭で見えた、塀の中の厳しい現実と課題元極妻が考える、『ザ・ノンフィクション』ヤクザの更生――なぜ犯罪を繰り返してしまうのか?