コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
「娘の受験校」というトップシークレット漏洩! 中学受験界のママ友マウンティングとは?
2019/09/20 17:00
“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。
先になんとも詮方ない話をさせていただく。「マウンティング」で成り立っているママ友界というのは実在する。もしそうしたものに巻き込まれたら、もう、これは誰が何と言おうが、「最初からそういうものだ」と思ってやり過ごさないと、やっていけなくなる世界である。
その理由は、子どもを介しての付き合いであるということにほかならない。つまり互いが「〇〇ちゃんのママ」という存在同士でしかないのだ。従って、話題はお互いの子どものこと、またはそれに付随することが中心になりがち。図らずも、比較合戦に発展していく確率は高いのだ。どちらが上か下かの水面下の探り合いを“デフォルト”とするママ友界というのは、確かに存在しているのだ。
ママ友界のマウンティング合戦は、哀しいことに中学受験界では拍車がかかるのが普通。なぜなら、偏差値、あるいは塾の所属クラス、あるいは塾の教室内の座席によって、その優劣がはっきりとわかる世界だからだ。
筆者は常々「受験にママ友必要なし!」と訴えている。受験は本来、孤独なもの。ましてや受験する当事者でない母親が孤独を癒やしたいがばかりに、または情報ほしさに、子どもを介した付き合いでしかない人と悩みを共有するのは危険だからだ。