コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき59

元極妻が考える山口組抗争の行方――10月の「ナンバー2」出所を前に波乱?

2019/09/01 16:00
待田芳子

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■山口組ナンバー2の事務所前で銃撃が

 今年のお盆も六代目山口組の幹部による歴代親分のお墓参りが何ごともなく行われ、「分裂状態では三度目の墓参……」と週刊誌が幹部の写真付きで報道していました。このまま何もないといいな~と思ったところで、発砲事件のニュースが飛び込んできました。

 8月21日午後6時過ぎ。神戸市内の弘道会関連施設前で弘道会系の組員Aさんが原付バイクに乗った男に撃たれたそうです。Aさんは事務所前で軽自動車を止めようとしていた時に窓ガラス越しに腹部などを撃たれて救急搬送されました。意識不明の重体とのことでしたが、25日付の報道では意識は戻っているそうです。そして、銃撃事件翌日の22日には事件現場の弘道会の事務所が家宅捜索を受けました。被害者の方の事務所に捜索ってどうなのかと思いますが、「報復の抑止」らしいです。これはもうパフォーマンスでしかないですね。

 何回も書かせていただいてますけど、警察が把握している事務所に拳銃や覚醒剤なんかは置きませんから、そんなところを捜索しても「報復の抑止力」にはなりませんよ。

■ナンバー2の社会復帰と「一つの山口組」

 一時は準構成員を含めて「4万人軍団」と呼ばれた山口組が、「六代目山口組」と「神戸山口組」に分裂してから、8月27日で4年がたちました。さらにその後に「神戸山口組」を離脱した関係者が「任侠山口組」を立ち上げ、現在の「三つの山口組」となっています。警察庁の発表では、この三つの山口組に関連した事件は8月13日現在で125件発生しているそうです。この1年は12件と少なかったのですが、2017年9月に起こった任侠山口組関係者の射殺事件の犯人はまだ逃走中ですし、暴行事件や車両特攻などもまだニュースになりますね。

 もう一つ、今年の10月に六代目山口組のナンバー2である高山清司若頭の出所が予定されていることも、警察とマスコミの緊張感を高めています。若頭は、銃撃のあった弘道会の会長も務めていますから、その事務所への銃撃が「宣戦布告」と取られるのは仕方ないでしょうね。

 六代目側は若頭の出所を「分裂終結のリミット」と決めているそうです。でも、こんな銃撃事件があるようでは、穏やかな終結は遠い感じです。

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