コラム
老いゆく親と、どう向き合う?【12回】

有料老人ホーム、「入居者家族とは一切しゃべるな」新人介護士への理不尽な命令

2019/09/15 19:00
坂口鈴香

「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける
――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)

 そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。今回は、親に介護サービスを提供する側、有料老人ホームの職員に話を聞いた。

離婚し、一人娘を育てるために介護職に

 山岸恵美子さん(仮名・44)は、有料老人ホームの管理職をしている。介護の世界に入ったのは7年ほど前。その肩書から想像すると、7年という経験年数は短いようにも思えるが、彼女には長い長い7年だった。

 山岸さんは、介護職につく10年以上前にヘルパーの資格は取っていた。そのときは将来役に立つかもしれない程度の軽い気持ちだったという。そんな山岸さんが介護職に就くことにしたのは、夫と離婚し、シングルマザーとして中学生の一人娘を育てていかなければならなくなったためだった。

「結婚以来ずっと専業主婦で、お金に困ることのない生活でしたが、離婚して、これから教育費のかかる子どもとどうやって生活していけばいいのか、途方に暮れました。頭の片隅に介護という選択肢もあったものの、現場で実習をしたときに介護の大変さを味わっていたので躊躇して。そんなとき、娘に『ママは介護の資格があるじゃない』と言われたんです。私は母を中学生のときに亡くしているので、娘が唯一の生きがい。娘に背中を押されたこともあり、自宅から近い介護施設なら娘に何かあってもすぐに帰ることができるだろうと考え、介護の世界に入ることを決めました」

 自宅の近辺で介護職を募集している施設を探したところ、歩いて通える場所に有料老人ホームが職員を募集していることがわかった。

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