【アラサー一人暮らし、理想の賃貸物件を探す】

【アラサー一人暮らし、理想の賃貸物件を探す】「フローリング最強」「最上階が安全」は幻想? 今、知るべき2つの“新常識”

2019/08/23 21:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 「引っ越しシーズン」といえば、新生活がスタートする春先を連想しがちだが、実はこれから“狙い目”な時期がやってくる。8~9月は転勤シーズンのため物件に空きが生まれ、10~12月中旬までは引っ越し業者が「閑散期」のため、費用が安く済むのだ。とはいえ、不動産サイトをのぞいても、素人目では“いい物件”の判断がつかない……。そこで、住居・防犯・風水のプロが「アラサー女性ひとり暮らし」に最適な部屋をジャッジ。“物件三銃士”が認める理想の住みかは見つかるのか――!?

部屋探しのコツとポイント! 物件三銃士から3つの助言

・プロは知ってる「築年数」古さの限界
・「畳のある物件」は意外と高評価!
・部屋選びの常識を覆す「最上階」に潜む危険

<賃貸物件の場所>

・都心から電車で30分、最寄り駅から徒歩5分
・最寄り駅前に公民館・スーパー、徒歩10分の場所に小学校あり
・交通量が多い大通りに面しているが、住宅地のため夜は街灯の明かりのみ

<賃貸物件の詳細情報>

敷金1カ月分/礼金なし、鉄筋コンクリート、7階建/7階(35戸)、角部屋、管理人巡回、防犯カメラなし、ペット不可、2人入居可、オートロックなし、テレビモニター付きインターフォンあり、宅配ボックスなし、ゴミ出し曜日指定、都市ガス、階段・エレベーターあり

 「やっぱり部屋は広々使えた方がいいな!」と思って探していたら、こんな物件を見つけました。都心へ出るまで電車で30分、築年数は45年と古いけど、周辺の環境が良くて家賃も安い。自治会で「防犯ボランティア活動」が行われていると聞いて、安全面から見てもアリな感じです。新築にこだわりはないですが、やっぱり“築年数”って気にするべきでしょうか? それと、この物件には畳の部屋があるんです! 単身用では「フローリングが常識」だと思ってましたが、こんな部屋も悪くないかも。とはいえ、賃貸だと畳を傷つけた時に面倒なことになりそう……。やっぱり床は“フローリング一択”と考えるべきですか?


「耐震基準」が築年数を見極めるポイント 「住居のプロ」評価 ★☆☆☆☆

 このマンションのような“築古物件”で一つの目安とするのは、「1981年より前に建てられた建物か? 後の建物か?」ということです。実は、建築基準法の改正によって「新耐震基準」が設けられ、建物に求められる耐震性能の基準がより厳しくなったのが、81年6月のこと。それ以前の物件は「旧耐震基準」の建物であり、「万一大きな地震が発生したときには、損壊・倒壊などの危険性が高くなる可能性がある」と考えられます。そうしたリスクを考慮した上で、賃料や間取りに納得感があれば住んでも良いのではないかと思います(ただし、積極的にオススメはしません)。

 築年数が古くなると家賃が安くなるのは、こうした点に理由があります。建物が古ければ、防災面での課題は当然ながら出てきますし、中には配管の劣化によって水漏れしたり、ネズミなどの害獣被害が発生するケースも少なくありません。「家賃の安さ」がセールスポイントになっている物件は、何かしらこうした課題がウラに隠れていることがありますから、不安があるようであれば仲介営業マンの情報だけに頼らず、何度か現地へ通って大家さんや住民の方と話をするなど、自分自身で事前リサーチをしてみると良いでしょう。

 ちなみに、マンションの場合は約12~15年のサイクルで大規模修繕が必要とされていて、室内設備についてもクロスの張り替えや、水まわり設備の更新などを行うのが理想的。そういう定期的なメンテナンスがきっちりと行われている物件であれば、築年数がたっていても十分快適に暮らせるはずです。

 また、近年はフローリング志向が高まっていて、畳のある新築賃貸マンションはほとんど見かけなくなりました。しかし、冬場の断熱性を考えると、実はフローリングよりも畳のほうが断然暖かく過ごせます。また、小さなお子さんをゴロンとお昼寝させるときも、畳の部屋があると便利。今回の物件は築年数の減点で星1つの評価としましたが、「これから出産や子育てを考えている」といったカップルなどには、畳のある部屋もオススメです。

■「住居のプロ」福岡由美(ふくおか・ゆみ)
ライターエージェント、ヒューズ・エンタープライズ代表取締役。住宅ライター・住宅ローンアドバイザー・FP技能士・ ラジオ構成作家。大手生命保険会社で事務職に従事した後、 ラジオレポーターに転身し名古屋・ 東京の放送局で中継レポーターとして活躍。その後、 間取り好きが高じて住宅ライターとしての活動をスタート。 現在は東京・ 名古屋を拠点に全国で取材を行いながら住宅情報ウェブサイト等で コラム・レポートを執筆中。20年超の取材経験を生かし『女性のためのマンション購入セミナー』や『失敗しない家づくりセミナー』などの講師も務めている。
中日新聞「オピ・リーナ」ブログ『なごやのねたや福岡由美の名古屋ネタ帖


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