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インタビュー
本当は怖い「熱中症」を医師が解説――対策は「涼しくなる秋まで」「エアコンは26~27度程度」
2019/08/27 20:30
猛烈な暑さが落ち着きつつある中、「熱中症対策」をしなくなる人も徐々に増えるだろう。しかし、じわじわと汗をかくような残暑の中、対策は引き続き行うべきであるようだ。今回、日本医師会認定産業医/内科医・星野優氏に、9月以降も注意したい熱中症対策のポイントをお聞きするとともに、あらためて熱中症がいかに“怖い”病気かをお聞きした。
熱中症の症状と原因
まず、「基本」として、「熱中症」はどのような原因で起こるのだろうか。
「熱中症は、『熱吸収の増加』と『熱放出の低下』がいくらか組み合わさることで起こります。具体的に、過度の熱吸収は激しい運動や高い環境温度、またはその両方によって生じ、冷却障害は、肥満、高湿度、高い環境温度、厚着、および発汗または汗の蒸発を妨げるあらゆるものによって引き起こされます」
熱中症のリスクは、わかりやすく大きく分けると、熱波によってじわじわと高体温になる古典的な「熱射病」と体内の水分が足りなくなってしまう「脱水症」だという。
また熱中症は、症状によって「Ⅰ度(熱痙攣/熱失神)、Ⅱ度(熱疲労)、Ⅲ(熱射病)に分けられる」(星野氏)という。熱中症の主な症状としては、だるさ、頭痛、めまい、吐き気などがあるが、重度の熱中症Ⅲ度の場合は、「『意識がない』『体がひきつる/けいれんする』などの症状があり、体の筋肉が壊されてしまったり、肝臓や腎臓に障害が生じ、致死的な状態に至ることも珍しくありません。集中治療室での治療を要する場合も多々あります」という。
星野氏は、あらためて熱中症の恐ろしさを「米国では、若年運動者の死因の上位にもランクしているくらい怖い病気です」と指摘した。