「納采の儀」めぐる歴代皇女の悲劇から見る、眞子さま“婚約”の懸念材料【日本のアウト皇室史】
――それでも、ご本人たちの意思があっての結婚のはずなのですが……
堀江 そうなんですよね。ネットでは、「別れさせろ!」といった声もあるようですが、人権問題に熱心な現在の皇室、そして秋篠宮家としては仮に猛反対だったとしても、「小室さんはダメ!」なんて口が裂けても言えないんでしょう……。
――もし、眞子さまが晴れてご結婚! となりますと、秋篠宮家から離脱し、皇族ではなくなりますよね。
堀江 その通りです。現時点で、女性宮家は存在しません。眞子さまは一般市民となった後も、元・皇女として品格を守った生活を送ることを義務付けられているために、1億円を超えると言われる多額の持参金を持って結婚する予定です。しかし、その持参金が世間的に一番ダメなんでしょうね……。
――小室さんはアメリカの法律学校に留学していますが、「僕は弁護士になるとは言っていない」などの報道もあります。一般人のレベルでも「ホントに私は、この人と結婚してよいのか……」と、迷ってもおかしくはないかも。
堀江 人の恋路を邪魔するのは無粋だとはわかっていても、外野が「眞子さま、危ない男!」って警鐘を鳴らしたくなるんでしょうね。あと、皇族には“歴史”という名のデータの蓄積があるんです。結婚によって不幸になった皇女のエピソードはそこまで多くはないはずだけど、パンチが効いた話はいくつかありますよ。
――眞子さまには、お幸せになっていただきたいですが……皇女にまつわる不幸なエピソード、とっても気になります。
堀江 比較的、最近の話になりますが、1950年のことです。「天皇家から一般家庭への初の嫁入り」として話題になった「ある名門」の御曹司と、「ある皇女」の結婚は、悲劇的な終わりを迎えました。その御曹司が、銀座のバーでマダムを勤める女性のアパルトマンで、彼女と一緒に裸に近い格好で死んでいるのが発見されてしまったのです……。
――ひえー。サスペンスドラマな出来事があったとは。
堀江 「ある皇女」というのは、昭和天皇の三女にあたる、孝宮和子(たかのみや・かずこ)さん。ただ、「一般家庭」といっても、五摂家(鎌倉時代に成立した藤原氏嫡流で公家の家格の頂点に立った5家)の一つ、「鷹司家」への嫁入り。わかりやすくいえば、トップクラスの高い身分を誇る公家で、戦後に華族制が廃止されたため、平民に「格下げ」になった旧華族の家へのお嫁入りということになります。
昭和23年に学習院専修科を卒業した和子さんは、鷹司平通(たかつかさ・としみち)氏との結婚が決まっていました。昭和天皇の「嫁入り前に“一主婦”としての教育を受けさせたい」という強い意思によって、和子さんは嫁入り教育を受けることになります。昭和天皇の元・侍従長の百武三郎(ひゃくたけ・さぶろう)さん、そして彼の家族たちと千代田区・紀尾井町の宮内庁官舎で1年も同居し、掃除・洗濯・料理からお買い物に至るまで“超実践的”な訓練を受け、準備に準備を重ねて嫁ぎました。
――婚活市場でよく聞く「家事手伝い」とは違い、きちんと準備をなさったのに……。
堀江 鷹司さんの死は、和子さんのショックも考え、事故死として処理されました。参考文献にした『侍従長の昭和史』(朝日新聞社)にもはっきりと「事故死」と書いてありますが、当時の日本中は、それがいわゆる“忖度”であることに、勘付いてしまっていたようです。