心屋仁之助氏“公開カウンセリング”の異常性――「死んじゃえ!」「借金イエーイ!」と叫んで終了?
2つ目は、どこかの会議室に会場を移し、「お金にルーズな40代の弟が嫌。10年ほど同居しているが、そろそろ見捨てるべきか」といった悩みを持つ女性からの相談が取り上げられていました。心屋氏は、『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)に出演していた際も行っていた、お得意の“言わせるカウンセリング”で徐々にヒートアップ。心屋氏が先導する形で、「あんな奴、死んじゃえばいいのに!」「あのゴミのせいで!」「消えてしまえ!」と相談者に暴言を叫ばせ、「いい姉をやめたらいい。ストレートに嫌だと伝えて」と結論付けました。
椅子に深く座って目を閉じ、相談者に暴言を反復させる心屋氏。満足げな表情に見えるのは、私だけではないはず。「あのゴミ」「消えてしまえ!」といった暴言は、本当に相談者本人の言葉なのか。「彼女はこう思っているはず」と、心屋氏が勝手に考えたセリフではないのか。ためらいながら号泣する相談者を見ると、そんな疑問が湧いてきます。
最後の動画は、正直まったく意味不明。相談者は「どんどん遊んで」という心屋氏の教えに従い散財。その結果、「借金返済が苦しい」と訴えます。これに対する心屋氏の結論は、「どうもせんでいい」「悪いことだと思っているから、助けてもらえない」。そして、「借金イエーイ! 踏み倒すぞイエーイ!」と明るい調子で言わせて終了です(どういうことなの……?)。
この無責任さ、「深く考えずやりたいことをどんどんやろう」といった奔放さが、子宮系女子やスピ稼業を目論む人たちにウケる理由かもしれませんが、私の目にはどれも“異常”に映りました。しかも、これらの動画に出てくる相談者は、「『Beトレ』に通ってるのに問題が解決しない」などと話し出すのです。心屋氏は一体、「Beトレ」で何を“おけいこ”しているのか、不思議でなりません。
「Beトレ」の宣伝ページには、これらの無料動画が多数あり、いずれも観客からの悩み相談をもとに、心屋氏の考え方をオープンな場所で伝えるといった内容でした。時にはギターをかき鳴らしてオリジナルソングを披露し、“伝道者”のごとく立ち振る舞う心屋氏。こうしたカウンセリング方法は、心理学の分野において一般的に用いられるものなのでしょうか。「心理オフィスK」の代表であり、臨床心理士の北川清一郎先生にご協力いただき、「Beトレ」の動画について見解を伺いました。