「ただの大泉洋」「全員ハマり役」“外国人役”で評価が分かれた日本人役者
現在、田中圭と横浜流星の主演で“第2章”となる反撃編を放送中の連続ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)。登場人物の中には、中国人のリン・シンイー(金澤美穂)や、ベトナム人のグエン・クオン(井阪郁巳)など、“日本人が演じる外国人キャラクター”が登場している。4月期に放送された『わたし、定時に帰ります。』(TBS系)でも、江口のりこが中華料理店店主・王丹を演じ、ネット上ではいずれも「本物の外国人みたい」「すごい演技力」と話題に。
しかし一方で、カタコトの日本語を話すなど、“ステレオタイプ”な外国人を演じているという点について「差別的では?」といった意見も見られるが、これまでも“外国人役”が物議を醸した例は、ほかにもある。
「2016年公開の映画『シン・ゴジラ』では、石原さとみが日系アメリカ人のカヨコ・アン・パタースンを演じました。英語と日本語のバイリンガルで、アメリカ合衆国大統領の特使かつ“40代で大統領に就任することを目標にしている”という役柄でしたが、ネット上では『英語のセリフがルー大柴みたいで笑った』『わざとらしい巻き舌しゃべりが気になる』などと不評。『“帰国子女”くらいの設定だったら、あの英語力でも許されたのに』との指摘もありました」(芸能ライター)
海外のネットユーザーからは、「そこまでひどい英語ではなかった」「少し訛っている程度」というフォローの声が寄せられていたものの、やはり「とてもアメリカ育ちとは思えない」といった辛辣な意見もあり、賛否両論だった。
「17年に人気漫画『鋼の錬金術師』(スクウェア・エニックス)を実写化した同題映画は、主演のHey!Say!JUMP・山田涼介をはじめ、日本の人気役者が勢揃い。しかし、漫画の登場人物たちは見た目も名前も“西洋人風”のため、国内外の原作ファンから『イメージが違いすぎる!』『日本の漫画だから仕方ないような気もするけど、ここまで別物になるなら実写化しないでほしい』『日本で実写化には無理がある。何でもやればいいってもんじゃない』などと、公開前から大ブーイングが巻き起こりました」(映画関係者)
ショウ・タッカー役に起用された大泉洋に至っては、映画のビジュアルポスターが公開されると「これはただの大泉洋だよね……」「全然役になりきれてない。どうしてこうなった?」など、ネットユーザーの間で困惑が広がっていた。
「一方で大絶賛を浴びたのは、阿部寛主演の映画『テルマエ・ロマエ』シリーズです。阿部を筆頭に、市村正親、北村一輝、宍戸開といった“顔の濃い日本人俳優”が集結して古代ローマ人を演じ、ネット上では『こんなに違和感がないなんて……』『全員ハマり役』『顔もスタイルも良くて文句ナシ!』と、大盛り上がり。また、イタリアで開催された『第14回ウディネ・ファーイースト映画祭』でシリーズ1作目(12年公開)が上映されると、現地の人々も大爆笑で拍手喝采。『主人公が日本人だなんて信じられない』などと高評価を獲得し、ネット投票による『マイムービーズ賞』を受賞しました」(同)
ピタリと役にハマりさえすれば、高評価を得やすい外国人役。演じる側だけでなく、キャスティングする側の見極めも重要だろう。