元女囚が考える最新刑務所事情――ワイロにパワハラ……ムショはまだ昭和の時代?
もうひとつ気になったのは、京都刑務所の刑務官の事件です。懲役に熱湯をかけてヤケドをさせたり、「土下座」や「踊り」を強要したりしていた刑務官が懲戒免職されて、「特別公務員暴行陵虐致傷」などの容疑で書類送検されたそうです。
こういうヘンなパワハラも昭和の匂いがしますが、これもムショでは珍しくないんですよ。残念ながら。ニュースによると、「受刑者に対して洗剤の容器に入れた熱湯をかけて全治15日間のやけどを負わせたほか、別の受刑者には土下座や踊りをするよう指示した」そうですが、その理由が「(懲役から)甘く見られたくなかった。自分の言うことを聞かせようと思った」からやそうです。
確かにほとんどの懲役は一筋縄ではいきません。刑務官もナメられてます。たとえば徳島刑務所では、懲役が文鎮や排水管パイプで懲役仲間や刑務官を殴る事件もありました。
せやから刑務官の「懲役のくせにナメんな!」的なマウンティングもわからなくはないんですが、ヤケドはやりすぎでしたね。でも、ヤケド以上に気になるのが「踊り」です。何の踊りやったんでしょうか(笑)。
こういうパワハラは、私のようなベテラン懲役(笑)でも、精神的に相当ダメージがあります。ムショはとにかく閉鎖されていて、窮屈やから、気持ちに余裕がないんです。普段では気にならへんことでもグサッとくるんです。今回の被害者がワルに染まってない人やったら、お気の毒ですね。
少子高齢化で懲役は減ってるのに、肝心なムショの処遇が昔と変わらないのですから、更生は簡単ではないですね。
中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」
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