滝沢クリステルと小泉進次郎「できちゃった婚」に見る、政治家一家のずる賢い「計算高さ」
離婚ではないものの、政治家の妻というポジションが甘くないことを知らされる例はほかにもある。「週刊新潮」(新潮社)によると、みんなの党代表・渡辺喜美氏の妻の経歴は電通の子会社勤務ということになっているが、もとは銀座の高級クラブのホステスだったという。今の若い世代にはピンとこないだろうが、その昔、水商売に従事する女性を低く見る風潮があったため、経歴をロンダリングした方が、選挙に有効だと考えたのではないだろうか。
選挙のためなら、不仲でなくとも、身重の妻と離婚して子どもと引き裂いてしまう。これが政治家の家にとって当たり前の判断であるとすれば、妊娠したくらいでは、結婚に持ち込むための “武器”にはならないのではないだろうか。政治家の妻は選挙区を守り、夫は都内と地元を往復するのが一般的なスタイルであると聞いたことがある。となると、妻の人気が、夫の票に直結する可能性があるということだろう。
滝クリと言えば『ニュースJAPAN』(フジテレビ系)で人気を博し、2013年にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれたIOC東京五輪誘致にて、流ちょうなフランス語と「お・も・て・な・し」で、東京五輪開催を引き寄せた立役者。英語も堪能である上にあの美貌で、知名度も抜群だ。政治家の妻、もしくは将来のファースト・レディーとして、充分ではないだろうか。すでに妊娠しているということは、間もなく跡取りができることを意味するので、嫁としての務めも果たしている。つまり、滝クリと結婚してトクをするのは、小泉家の方ではないだろうか。
「したたか」という言葉は、粘り強いとか、しぶといという意味だが、日常生活で使われる際は、「計算高い」「ずる賢い」というニュアンスを含んでいることがある。有名政治家など名門家庭の男性や高収入の男性と結婚した女子アナが「したたか」と言われるのも、「計算高い」「ずる賢い」という意味なのだろう。しかし私に言わせるのなら、そういう恵まれた男性ほど、自分にとって有益な女性を選んでいるし、自分に最大限のメリットを与えてくれる女性を吟味した結果が、女子アナだったということではないだろうか。結婚に関して、「計算高い」「ずる賢い」のは、男性の方だと私は思っている。
何はともあれ、結婚も新しい命の誕生もおめでたい。滝クリにおかれましては、体に気を付けて、お過ごしいただきたいものだ。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。