「反抗期の娘、愛し続けられるか不安」プウ美ねえさんが“母子関係のこじれ”に思うこと
家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。
<今回のお悩み>
「日に日に、義妹に似てくる娘に困惑」
私には中2の娘がいます。不登校気味ですが、私自身も学校が楽しくはなかったので、励ましつつ、無理せぬように見守っています。年頃から、母親の言動がいちいち気に障るようで、たびたび言葉の暴力を奮われていますが、母としては一過性のものだと甘んじて受ける覚悟でいました。
ところが、最近その娘の姿形に、義妹が重なってくるのです。義妹は、私が生涯出逢った人中ワースト3に入るほど反りの合わない人で、親戚とは言え、自ら会う気には中々なれず、疎遠にしています。もちろん、娘のことはとても愛しています。ですが、反抗を繰り返し、口汚く私を罵り、日に日に義妹に似てくる娘を、愛し続けることができるのか? いつか心が折れてしまうかもしれないと思うと不安です。(紅あずまさん、42歳)
【プウ美おねえさんの回答】
お嬢様はいま大人同士の関係を学ぶ年頃です。イライラをぶつけたらどうなるか、思ったことを全部言ったらどうなるか、一生懸命研究しておられるのです。この時期にあばれておかないと、プウ美おねえさんのように面倒な人間になります。つとめて、なまぬるくそばにいましょう。おねえさんは野生動物が好きです。しかし飼い慣らしたいとは思いませんし、そばにいって糞や泥にまみれるのもごめんです。距離がだいじです。
義理の妹さんとお嬢様がかさなる時は、お嬢様だけの美点を探してごらんなさい。若さとか、あなたや彼女の父君に似ているところを見ましょう。おねえさんの母親は明るい善人ですが、 意見があわずお互いイラつく存在でした。つかみあいの喧嘩もしました。 大人になってからは数年間会うのをやめましたが、その間によいところだけを思い出すことで楽になりました。いまでは会うたびに「元気でいてくれてありがとう」と言葉で伝えあう仲です。相性を乗り越えて愛せることを学べて、感謝しているものです。あなたは義理の妹さんと「距離を置く」という最善の選択ができたのですから、きっとうまくやれます。
親の立場にこだわりすぎると、若い人を操縦したくなります。でも親は先に死ぬものです。永遠に面倒はみられません。子の親離れを喜びましょう。気分をかえて素で接してみてはどうですか。学校嫌いという共通項を思い出してガールズトークなどよいものです。無意味なガングロメイクで淡々と接し、お嬢様を不安にさせるのも一興でしょう。素手のタイマンもよいかもしれません(かならずレフェリーをつける)。お嬢様にも、あなたにも発見があるはずです。
【今月のエプロンメモ】
いつか穏やかな関係になるかもしれないし、そのあとまた絶交の危機がおとずれるかもしれない。ひとの関係は、流動的だということを覚えておきましょう。親子だって絶対ではありません。「あの人は味方」「あいつは敵」などと決めつけず余裕をもつことが、ひとづきあいを楽しむコツです。
熊田プウ助(くまだ・ぷうすけ)
1969年生まれ、ゲイ漫画家。都内でひっそりと飼い猫と暮らす日々を描いたエッセイマンガ『世界でヤろう!! おひとりホモ☆』(ぶんか社)、『世界一周ホモのたび 狂』(同)、『TOKYO中年駄ホモ生活』(同)など。
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