コラム
女のための有名人深読み週報

熊田曜子、夫と義母の愚痴連発――タレントとして「プラスにならない」と感じるワケ

2019/06/20 21:00
仁科友里

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「食べるって言ってたのに」熊田曜子
(6月12日、インスタグラムより)

 芸能人を指して「あの人は、〇〇キャラ」と言うことがある。これは、その芸能人が「〇〇という役回りを背負っています」ということだろう。つまり、ある種の演技なわけだが、そうは言っても、そのキャラを、はっきり覆されるとなんとなく変な感じがするのはどうしてだろうか。

 例えば、タレントのLiLiCo。スウェーデン人の父と日本人の母のダブルで、もともとは演歌歌手。ブレークのきっかけは『王様のブランチ』(TBS系)の映画コメンテーターになったことだった。「肉食系」と公言してはばからなかったLiLiCoは、レギュラー出演中の『ノンストップ』(フジテレビ系)で、ゲストとして登場したムード歌謡グループ・純烈の小田井涼平に出会う。初対面の時から縁を感じていたというLiLiCoだが、別の番組で共演したことをきっかけに交際をはじめ、結婚。いいなと思ったら、すぐに行動するのは“肉食キャラ”にふさわしいと言えるだろう。

 しかし、結婚後のLiLiCoは変わった。夫を“主人”と呼び、『ノンストップ』によると「夫をキッチンにいれない(料理はLiLiCoの担当という意味)」「夜中2時に起きて、主人の朝ごはんを作っている」といった具合に、もはや“肉食キャラ”ではなく、梨園妻のようなキャラの変化を遂げている。それが彼女の考え方、生き方だから他人がとやかく言うことではないが、「キャラとして」考えるなら、視聴者が違和感を抱いたり、多少混乱することは否めないだろう。

 このように、キャラというのは難しい。安易に変えるのはNGだが、ずっと同じキャラでは生き残れないのもまた事実だろう。特にママタレ業界は飽和状態が続いているので、何かキャラが必要になる。

 ママタレ業界で頭ひとつ抜け出した存在と言えば、ゆうこりんこと小倉優子ではないだろうか。夫から褒められたエピソードを語るなど、愛され妻キャラだったゆうこりんだが、妊娠中に夫が自分の後輩と不倫していたことを「週刊文春」(文藝春秋)にすっぱ抜かれ、離婚を選択する。ひと昔前、離婚といえば不幸でしかなく、家庭用洗剤などファミリー向け商品のCMには出られないと考えられていた時期もあったものの、ゆうこりんは離婚後、オリコン調査の「好きなママタレ」ランキングで1位を獲得し、P&Gの柔軟剤入り洗剤「ボールド」のCMに出演するなど、高い好感度を誇ることに。それは、シングルマザーとして、子育てと仕事にまい進するというキャラが好感をもたらしたということだろう。

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