【人気私立小を大分析】ペーパーレスで縁故最強の慶應幼稚舎、ペーパーありで実力主義の慶應横浜初等部
先日、慶應横浜初等部の制服デザインをされている、「コージアトリエ」のアシスタントデザイナー・渡辺陽子さんとお話できる機会があり、すっかり意気投合しました。今月は弊社運営の保育園「駒沢の森こども園」で有名私立小学校の学校説明会を行うのですが、その後の時間で「お受験する学校によって、メイクや服装を変えるべき」というお話をしていただこうかなと考えています。
就職活動でも、エアラインとメーカーでは求められるメイクがまったく違うのと同じで、小学校も学校によってカラーがまったく違います。昔、女性ファッション誌「VERY」(光文社)に、お受験ママの声として「成〇は特殊な学校で、面接にエルメスのケリーバッグを持っていくと合格すると言われていたので、持っていったら合格した」と都市伝説レベルものの一文が載っていたのですが、ここはお受験の服装のプロである、渡辺陽子さんに話してもらい、ネットや雑誌に振り回されるお受験ママに「正解」を語ってもらいたいなと思いました。
人気私立小トップに君臨する、慶應幼稚舎のお受験はペーパーレス!
カラーといえば、同じ慶應ブランドでも慶應幼稚舎と慶應横浜初等部では全くカラーが違うことも有名です。幼稚舎は渋谷区恵比寿にあり(最寄り駅は広尾)、芸能人の子どもも多く通い、華やかです。特色としてクラスは6年持ち上がりで、クラスによって異なる授業の進み方やルールがあるそうです。受験では、ペーパーテストがなく、行動観察(グループでゲームをしたりする)と絵画(製作含む)、模倣体操(先生と同じことをする)があります。
体操は模倣体操と、指示体操です。他校と同様、お手本の先生がジャンプをしたとき、「片足」だったのか「両足」だったのかをしっかり見ていないとダメ。行動観察では最初に発言した子に加点されるので、全員発言する機会があるか戦々恐々です。
幼稚舎はリーダーシップが取れる子を好くので、行動観察試験中に輪に入れない子がいたら「一緒にやろうよ」と声を掛けたり、「リーダーを決めてやろうよ」(まあ言い出した子がリーダーになるんだけど)と提案したりできる子が好きです。そもそもお受験会場では周囲は初めて会った子たちばかりなので、もじもじするのが普通だと思うのですが……。幼児教室で訓練された子ばかりなので、心配は無用なのか。
幼稚舎ならではの出題は、やはり絵画です。数年前までは絵画の途中で、先生から「何を描いているの?」などの「お尋ね」があった子は合格といわれていたのですが、「お尋ね」が有名になりすぎて、最近は出来不出来関係なく「お尋ね」があるそうです。また、幼稚舎ならではの「ヒマラヤ問題」と言われている難問(※)の絵画が出題される年もあり、柔軟な頭の持ち主でユニークな発想ができる子ではないと、倍率10倍の壁(しかも縁故最強)は破れないと思います。
試験自体は入室してから90~120分で行われます。子どもの試験中に親の面接を行う学校も多いですが、幼稚舎&初等部は親の面接がないので、保護者は控室で待つのみです。
知り合いのお子様で、お受験対策の「お教室」も通わずに合格した人がいるのですが、お父さんの職業は伝説のAV監督、お母さんはカリスマAV女優です。お父様いわく、「自己破産してお金がなかった時期なので、お教室は行かせず、海や川に行って思いっきり遊んだ」「幼稚舎は偏見のないとてもいい学校、素晴らしい」と話していました。とにかくお受験までの日々は、昭和の子どもらしい遊びをさせていたそうです。