女性ゲーマー座談会【後編】「女性に“ハンデ”はない」――今、訴えたい「ゲームが好き」な気持ち!
――ゲームの世界での話をうかがってきましたが、性別による差別や偏見は、ゲーム業界と一般社会を比べると、どのような違いを感じますか。
セリーナ 学校や職場で直接言われることのない悪口も、ネット上だと匿名で言えますよね。今はオンライン対戦が中心の時代なので、ゲームとネットはとても密接につながっています。だから「ゲーマーとしての私」の方が、性差別を受けることが多いですかね。
花子 でも、ゲーム業界に「女性専用車両」みたいなものを作ってほしくはないかな。ゲームをやってて、性別を理由に嫌な気持ちになることもあったけど、ゲームセンターに「女性専用スペース」を作ってほしいわけではない。特別扱いされてしまうと、ハンデがあるとか、弱いことを認めちゃうみたいになるので。
raz なぜ女性プレイヤーが特別視されてしまうかと言うと、「数が少ないから」なんですよね。ゲームの能力に男女で大きな差はなく、誰とでも平等に戦えます。だから私たちには、そもそもハンデなんてないわけです。少数派だからといって、特別扱いしすぎるのは違うかなって思います。
――それでは最後に、これからゲーム業界がどのように変わってほしいと思うか教えてください。
花子 男性も女性も、容姿のことを言われたりしないで、楽しく大会に出られるようになるといいですよね。女の子がどんどん増えてくれば、それが当たり前になって「女だ!」とも言われなくなるだろうし。ゲームが好きなのに、別の理由で躊躇してしまうのは、とてももったいないと思うので。
raz 性別ではなく、もっと個人が尊重されて、好きなことをできるようになれば、それが一番いいですね。
あさい 私たちにできることは、ゲームの面白さを伝えたり、イベントを開催して遊ぶきっかけを作ったりすることだと思っています。その活動を通して、「ゲームって楽しいよ」「女の子も遠慮しなくていいんだよ」って感じられるようになれば、コミュニティは良い方向に向かってくんじゃないかなと思ってます。
セリーナ 「女性ゲーミングチーム」が目立たなくなるくらい、女性ゲーマーが増えてくれたらうれしいです。男性だけのチームがあって、女性だけのチームがあって、混合のチームがあって……その中に「花鳥風月」もある、みたいな。それと最後に、男性ゲーマーは女性ゲーマーにとって“敵”ではない、ということは言いたいです。ゲーマーは性別も年齢も、さらに国籍も関係なくみんな“仲間”ですし、ほとんどの男性ゲーマーが「女性が嫌な思いをしないように」と思ってくれているのも感じてます。なので、みんなで協力して、でも大会ではガチで戦って、そんなふうになっていけば最高ですね。