日テレ政権、ついに終焉?

『イッテQ』に続き『鉄腕!DASH!!』もテレ朝に敗北! 視聴率低迷は「功労者のクビ」説も

2019/06/02 13:00
村上春虎
『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)公式サイトより

 5月19日放送の『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)が16.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。一方、裏の『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)は番組最高となる19.8%をマークし、2.9ポイント上回ったことがわかった。

 この19日は、午後7時台の『ナニコレ珍百景』(同、14.1%)も、『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系、13.5%)を0.6ポイント差で撃破。つまり、長らく日曜夜の激戦区を守ってきた日本テレビの2番組が、いずれもテレ朝に敗れた形となったのだ。これは“地殻変動”の前触れなのだろうか?

「『ナニコレ珍百景』が『DASH』の裏に登場したのは昨年10月。2016年に一度終了したものの、まさかの復活を果たしたのです。当初は、ネタがどれほど持つのか心配されましたが、新ネタに加えて第1期レギュラー時代に紹介した『珍百景』が、その後どうなったのか追跡するという“剛腕”ぶりを発揮。面白いものは、いつ見ても面白いということなのでしょう。視聴者離れは起こっていないようです」(芸能ライター)

 『ナニコレ』好調の背景には、『ポツンと一軒家』視聴者があらかじめチャンネルを合わせている可能性もあるだろう。それにより『ナニコレ』の面白さに気付き、次は冒頭から見るようになるといった好循環が生まれていると考えられる。対して『DASH』は今年1月、木村拓哉が主演映画『マスカレード・ホテル』の宣伝のために出演し、18.6%を記録して以降、それを超える回はなく、低調のまま推移している。

 その大きな原因は、やはり山口達也の不在だという。


「実質、『DASH』の要だった山口がいなくなったことは、全ての作業に影響を及ぼしています。V6・長野博や関ジャニ∞・横山裕、KAT-TUN・中丸雄一などが、各コーナーに助っ人として参戦していますが、むしろ山口がいかに万能で偉大だったかを痛感するという悪循環に陥っているように見えますね」(同)

 だが、出演者ではなく、もっと根幹に問題があると指摘するのは、ある業界関係者だ。

「時期は不明ですが、番組のベテランチーフ構成作家が1人、辞めさせられているのです。自ら去ったのか、それとも追われたかはわかりませんが、日テレの圧縮財政から見てクビになった可能性は高い」

 つまり、この構成作家の“退場”が視聴率に響いているということなのか。

「彼は番組の開始当初からのメンバーで、『DASH村』の企画草案にも携わり、ナレーションを一手に書いてきた功労者です。青森の田舎に生まれ育った経験から、農家の暮らしがどんなものなのか肌身で知っている。『DASH村』が人気企画に育ったのも、彼の尽力が大きかった。その後『DASH島』にも参画しましたが、総合演出の入れ替えなど、従来の『DASH』色から進化しようと番組が新体制になっていく中で、“肩たたき”に遭ったのでは」(前出・業界関係者)


 『DASH』という番組が大事にしてきたポリシー、またお茶の間に支持されてきた理由は「ストーリー性」と言われている。「DASH村」でいえば、荒れ果てた土地を開墾し、知識不足ゆえ冷害で壊滅してしまった農作物を、メンバーが肩を落としながら復活させていく模様――すべてが「線」として描かれ、視聴者と物語を共有してきた。

 だが、今の「DASH島」や「DASH海岸」は、単発企画に傾いている印象が否めない。もともと「DASH海岸」は、水中展望台を作るという名目があったはずだが、それも形骸化しており、視聴者と共有したストーリーを壊しているともいえる。今後、この番組はどこに向かうのだろうか?
(村上春虎)

最終更新:2019/06/02 13:00
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