「母の日・父の日廃止は神経質」の声も……親も保育士も困惑、保育園“家族イベント”の在り方
保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。
全国的なイベントとして、いまだ根強く残る「母の日」や「父の日」といった家族イベント。幼稚園や保育園などで、母や父の似顔絵を描かされた記憶がある人も多いと思うが、現在こうした家族イベントは行われることが減ってきているという。その理由は、「シングルマザーやシングルファザーなど、保護者の在り方が多様化してきているため」のようだ。
関東近県の幼稚園に3歳になる男児を預けている専業主婦の和美さん(仮名)は、園で母の日、父の日イベントがなかったことを不満に感じたそうだ。
「うちの学年には、母子・父子家庭の子どもはいないのですが、数年前から母の日や父の日に、特に何もやっていないようです。理由を聞いてみたら、廃止した当時にシンママがいたから、卒園まで配慮したと。一部の保護者のために、ほかの家庭も合わせるのはおかしいと園側に申し立てたものの、『今後、またそのような保護者の方もいらっしゃるかもしれないので、家族イベントはやらない』という返答でした。私は子どもからの“母の日”のプレゼントや製作を楽しみにしていたのに、その気持ちを踏みにじられた感じがしてショックでした」
和美さんは、幼稚園や保育園よりも地元にあるショッピングモールなどの方が、家族イベントに積極的だと感じたという。
「知り合いのママ友が通っている保育園も、家族イベントで子どもに絵を描かせる際、ママやパパとは限定せず、『好きな人のことを描いて』と指示するそうです。でもショッピングモールに行くと、普通に“母の日”“父の日”にちなんだ絵の募集があって、知っている家の子どもの絵も多く貼りだされています。わざわざ園が家族イベントを中止する必要がわからないですし、園側が神経質すぎるのではと思ってしまいます」