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『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』「今のままでいい」バツイチ・子持ちのアヤ(38)の婚活「男と女の婚活クルーズ 2019」

2019/05/21 14:34
石徹白未亜
『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)公式サイトより

 NHKの金曜夜の人気ドキュメント番組『ドキュメント72時間』に対し、こちらも根強いファンを持つフジテレビ日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』。5月12日放送のテーマは「男と女の婚活クルーズ 2019」。

あらすじ:38歳子持ち女性・アヤ、婚活で告白されるも「お断り」

 主人公は38歳のアヤ。すらっとしたスタイルの美人だ。バツイチで7歳の娘がおり、親から引き継いだ土地で一昨年から農業を営んでいる。パパが欲しいという娘の希望もあり、結婚相談所「ノッツェ」が開催している婚活クルーズに参加する。

 台北から横浜への4泊5日のクルーズで複数の男性からアプローチを受け、「娘のための良いパパ候補」は見つけられるも、やはり自分が好きにならなければ難しいと、最終的に2人から告白されるも「お断り」してしまう。

「私が好きになれる人じゃなきゃダメ」なアヤは婚活向きじゃない

 今作を見た方と語り合いたいのは「アヤ、別に結婚したくないよね?」ということだ。

 「バツイチ」「子持ち」「婿養子にならないといけない」というアヤの状況は、婚活市場において男性が「ぜひ!」となる要因ではない。アヤも自覚していたが、38歳という年齢も相手側が子どもを望むならかなり厳しいだろう。

 それを踏まえ、アヤの立場で本当に結婚したいのなら、参加するのは婚活クルーズといった若い人も大勢いるようなイベントめいたものよりも、結婚相談所での一対一のお見合いではないかと思う。クルーズでアヤに対し、「子持ちはちょっと」と言った男性がいた。のちにその男性は失言を詫び、確かに配慮は足りなかったが、本音はそうなのだ。結婚相談所における一対一の出会いなら、条件が「違う」マッチングはそもそも成立させないことだってできるのだから、お互い気まずい思いをせずに済む。

 しかしアヤは、結婚相談所に行ったところで仲人泣かせだろう。なぜならアヤは、一貫して「私が好きになれる人じゃないとイヤ」な人だからだ。

 婚活クルーズ中、アヤは複数の男性からアプローチされるも「私が好きなれる人じゃないとダメ」を繰り返し、結局、そのうち二人の男性から告白されるも断ってしまう。そして番組の最後には、「いい人だけではいけなかった。私は、一度失敗しているから」と言っており、前の夫もアヤにとっては「いい人なんだけど……」という存在だったのかもしれない。

 とにかく「好き」になりたいアヤは婚活向きではない。そんな態度を見透かされてか、クルーズの最中にノッツェ・須野田珠美社長から、そろそろパッション的な恋愛から、生活していく中で(相手を)好きになっていくというステージを選ぶべきであり、「卒業」の覚悟はあるか? と諭されていたが、結局アヤは“卒業”に踏み切れなかった。

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