「男性に簡単に与えてきた愛と許しを、自分に」――いま言動が注目されている若手セレブ・フェミニストは!?
米ディズニー・チャンネルの人気ドラマ『シェキラ!』で一躍人気者になった、女優のゼンデイヤ。多くのディズニースターがドラマ終了後にハメを外す傾向があるが、彼女は「若い女子ファンのお手本」になることを強く意識。公式サイトを通じ、ファンから送られてきた恋愛に関する質問に回答したり、健康的な恋愛を楽しむためのアドバイスをしたり、ポジティブなメッセージを発信し、絶大な支持を集めるようになった。
そんなゼンデイヤが2015年、インスタグラムに2枚の写真を比較するように並べて投稿。身長178cm・体重59kgとスーパーモデル体形の彼女だが、よく見ると左側の写真は右側よりもスリムに見える。これにゼンデイヤは、「雑誌のために撮影した写真が仕上がったんだけど、もうびっくり。19歳の私のヒップと胴体がいじくられていたの」と画像修正されたことを指摘。「これ、女性が人目を気にする大きな原因になるのよね。ありえない美しさを、理想だとでっち上げてるんだから」と痛烈に批判し、「私は正直で、ありのままの自分を愛する人間なの。だから、ありのままの自分の写真も貼らせてもらうわ。こっちの写真の方が最高だと思うし」と言い放った。
さらには同年6月、とあるTwitterアカウントが、メイク動画で人気のユーチューバー・シャノンのメイク前後の写真を並べた上で「ノーメイクだとブス」とバッシングした時には、「どっちもイケてるのにね。 この発言、的を射てなくって気まずいよねぇ」と、かばった。表紙を飾った米誌「Flare」15年12月号のインタビューでは、「フェミニストとは、女性の力を信じるのと同じくらい、 誰にでも力があると信じる人のことを指すのだと思う。また、 フェミニストとは平等で公平であること」 と発言。人気・知名度抜群の彼女の発言が若い層にいい影響を与えると絶賛された。
アマンドラ・ステンバーグ(20)
2018年に公開された映画『ブラック・パンサー』。『スパイダーマン』『アイアンマン』などを生み出したアメコミ出版社「マーベル」による初の黒人ヒーローが主人公で、製作前から話題を集め、成功が約束されていた。そんな大ヒット作への出演を辞退したとして注目を集めたのが、若手女優のアマンドラだ。
彼女いわく出演をキャンセルした理由は「物語の舞台はアフリカの架空の王国。登場するアフリカ系のキャラククターを演じるには、自分の肌が明るすぎる」から。父親がデンマーク人のアマンドラは、肌が白人寄りであるため、ミックスの自分が混じると違和感を覚える人が出てくると懸念。厳しいオーディションを勝ち抜き、せっかくのオファーを手に入れたにもかかわらず、最後の最後で断るという苦渋の決断を下した。
子役出身のアマンダだが、若き活動家としても有名。15年、「ヒップホップなどによってトレンドとなった黒人文化を白人セレブたちが盗用している。でも、本当に注目されるべき重要な問題に取り組まないため、黒人差別はいつまでたってもなくならない」と訴えた「Don’t Cash Crop On My Cornrows」というタイトルの動画を公開し、白人セレブの“文化の盗用”を具体的かつ鋭く指摘し、一躍名が知れ渡った。
14~15年に交際していたジェイデン・スミスとパーティに出席し、ジェイデンがスカートを着用していたことが議論を呼んだときも、「男は男らしく、たくましくなければならないとか、バカみたいよね」「男性がフェミニンであり、内なる感情やクリエイティビティを表現することは素晴らしいと思う」と真の男女平等をうたった。
アマンドラは、17年に受けた米誌「Bust」のインタビューで、「自分はフェミニスト。 最近よく目にする“ポップ・カルチャーフェミニスト”(大衆ウケを狙ってフェミニスト発言をするような人)ではないけれど。私は女性が大好きだし。どの性も平等であると信じている」と述べ、「フェミニズムには、トランス・ウーマン、有色人種の女性、貧しい女性、太っている女性など、あらゆるタイプの女性が含まれるものだと思う。包括的でなければ、女性のための闘いとはいえないでしょう。フェミニズムが、特定の特権階級だけのものだとしたら、それは革命的ではないわ」と発言。フェミニズムは、 白人女性だけのものでも、オシャレなものでも、はやりものでもないのだと主張し、共感を集めた。