コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき51

元極妻が解説する「ヤクザの連休」……「刺青全開」河原でBBQ、海外でカジノや賭けゴルフ

2019/05/12 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 さて、本題に戻ります。

 飲食店やカジノバーの経営など、連休もフル稼働のシノギがあると、なかなか出かけられませんが、それでも以前はけっこう遊べた記憶があります。暴対法施行(1992年)後も、しばらくは大丈夫でしたね。

 オットの組でも、5月の連休には若い衆の子どもたちも連れてオートキャンプ場とかに行っていました。みんな高級車で刺青全開ですから、かなり目立っていましたが、それで見とがめられることはありませんでした。思えば、のんびりした時代でしたね。

 若い衆たちは、現地で知り合った若い女の子たちのグループにエビやカニなどBBQ用の高級食材を惜しげもなく分けてあげたりして、楽しく過ごしていました。飲酒運転も今ほどはうるさくなかったですしね。

 また、「海外脱出」組も多かったです。主な目的は海外のカジノや賭けゴルフで、事前に警察に「仁義」(つまりワイロ)を切っておくと、外貨持ち出しで逮捕(パク)られることもなかったと聞いております。「100万円以上の現金を海外に持ち出す時には届け出る」というアレですね。

 ちなみにもっと昔の昭和は、警察の慰安旅行にヤクザが寄付することもあったようです。親分のところに警察官が来て、「来週から○○温泉へ行くんですわ」とか言うと、親分が「ほうか。ほな気をつけて」とか言って現金を渡すんですね。「それをやっておくと、小さな事件は見逃してもらえるから。父がようやってた」と宮崎学先生がおっしゃっていました。まあ昔の話ですね。

■別荘で過ごす親分衆も

 昔は昔で苦労もあったので、戻りたいとも思いませんが、今はヤクザにとって「受難の時代」です。

 今どきのヤクザは高級ホテルや温泉旅館に泊まるのもムリですし、海外も前科があると制限されますが、そもそもシノギが細いので、余裕がありません。それに、今どきは姐さんの名義のクルマに親分を乗せただけで虚偽記載(「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」の罪)で逮捕される時代ですから、旅行もおちおち行けませんよ。

 そうはいっても、まだ別荘で過ごせる親分衆もいますが、警察関係者は「暴力団関係者所有の不動産は、数が多いから放置しているだけ。物件はすべて把握しており、いつでも検挙できる」と豪語しています。まあ警察も人手不足ですから、いっぺんに検挙するのは難しいだけでしょうね。

 過剰な暴排のせいで、大半のヤクザは連休もゆっくりできません。「それがイヤならヤクザをやめればいい」と、言うのは簡単なのですが……。

最終更新:2019/05/12 16:00
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