コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験の塾選びで失敗……「難関校請負」の大手塾で、なぜ娘は円形脱毛症になったのか?

2019/05/12 16:00
鳥居りんこ

“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。


 中学受験ではその対策として、一般的に“大手塾”を利用することが多い。そのため、中学入試合格実績においても大手塾の寡占状態。専門家の先生方の集計を見てもそれは明らかで、首都圏では大手6塾からの総合格者数が9割、関西圏でも総合格者数の大半は大手9塾の塾生である。このような状況に鑑みると“中学受験の合格は大手塾が担っている”と言えるのである。

 この“大手塾”、中学受験に馴染みがない方にとっては、普通の塾と何がどう違うのかもわからないだろう。説明するならば「大手塾はファミレス」と思っていただけると理解が早いと思う。

 ファミレスは、中華、和食、洋食など、さまざまなおいしい料理を提供し、幅広い顧客の胃袋を満足させるということを目的に置いている。どのチェーン店の店舗に入ろうが、品質管理の徹底、社員教育も一定以上、メニューも充実、値段設定も安心価格という具合で「合格点」を付けて帰る人は多いだろう。

 大手塾も同じで、日々スキルを磨いて、合格実績を上げ、多くの塾生、保護者の満足度を得ている。一方で、地元の中小塾は、さしずめご当地食堂みたいなイメージで、合格実績の点で「当たりはずれがある」とも言えるのだ。

 そんな大手塾だが、一つ気をつけなければいけないことがある。どのファミレスのハンバーグでも、一定以上はおいしいが、「料理方法」に違いがあるのだ。

中学受験において、塾選びは大事なポイントで、これが勝敗を分けるとも言えるので、安易に「聞いたことがあるし、近いからここでいいわ」と決めてしまうのはかなり危険なことになる。

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