コラム
【連載】スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコの“教祖様”注意報

スピリチュアルにハマった妹――「子宮委員長はる」との出会いから「家庭崩壊」までの記録【前編】

2019/05/01 21:00
黒猫ドラネコ

 子宮系と心屋氏の教えを守った結果、「やりたくないことをすると、子宮にカルマ粒(膣や子宮、卵巣に負や業が溜まってできる血液の塊……らしい)ができる」と言って家事を一切やめ、「好きなように生きれば、旦那に貢がれる」と会社を退職。「母親は子どもを生んだら終了。女性は子育てに向いていない」などと言い、分担していた育児を夫に押し付け、1回5,000円以上もする“スピリチュアル系お茶会”や数万円のセミナーに通い、「お金は使えば入ってくる。使わないから消えていく」などと……あの~すみません、全部意味不明です(お手上げ)!

 家族旅行のために貯めていたお金を下ろし、学資保険の解約を画策しているのが明らかになった時、妹の夫はついに「もう限界。“宗教のようなところ”に出入りしてから変わってしまった」と、私に連絡してきました。その電話を受けた私は、妹がしていた怪しい話のことを思い出し、彼女のSNSを恐る恐るのぞきました。すると、子宮系セミナーに参加している妹と、子宮系女子たちが満面の笑みを浮かべている写真が……。「これが原因だ」と直感でわかり、青ざめました。子宮委員長はるのセミナーに行き始めてからここまで、たった半年。家族思いで友人もたくさんいた妹が、なぜこうなってしまったのか。おかしな電話をもらった時に、一言「やめておきな」と止めていれば……後悔してもしきれません。

 ここで私が言っておきたいのは、これはあくまで“妹のケース”だということ。今も子宮系女子として、心屋氏のファンとして、明るい人生を送っている人もいることでしょう。根拠のない教えや宗教的なものでも、“信じること”自体は人それぞれであって、やみくもに否定はできません。ただ、人によって合う・合わないは必ずあります。何事にも良い面だけでなく悪い面があるということを念頭に置いて、よく観察し、突き進む前にいったん立ち止まって考えてほしい。影響されやすかった私の妹のように、スピリチュアルとの距離感を誤って、自分の人生も家族の人生も壊した人が、本当にいるのです。

 子宮系女子だと発覚したあと、家族会議で私たちと口論になった妹は、自殺をほのめかすなど、さらに自暴自棄に陥ります。そのことは、また次回に。

■黒猫ドラネコ
 1983年5月生まれ。性別、職業は非公表。大分県出身、学生時代から大阪で過ごし結婚を機に上京。穏やかで細かい性格。自分勝手な人が嫌い。趣味はスポーツ観戦、カフェ巡り、漫画・アニメ鑑賞など。甘党でお酒よりジュースを好む。ショートスリーパーにつき夜行性。

Twitter/ブログ「黒猫ドラネコのブログ(仮)

最終更新:2019/07/18 18:24
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