サイゾーウーマンカルチャー社会高齢ドライバー「免許返納」拒む実情 カルチャー [再掲]インタビュー 池袋暴走事故で親子死亡――高齢ドライバーが「免許返納」を拒む実情と、家族が抱える苦悩 2019/04/24 18:55 サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman) インタビュー社会 「健常でも性格が変わる」と知ることが第一歩 誰にでも起こりうる加齢性変化。しかし、家族がそのことを知らないままだと、「父母が、祖父母が変わってしまった」と大きなショックを受けることになるのではないか。 「免許返納の話をする以前に、高齢者とその家族の間で、コミュニケーションが取れていないケースも考えられますよね。このような場合は、医師やケアマネジャーなど、第三者を介入させるのも手かもしれません。2000年に、介護保険制度が始まり、介護をサービスとして頼むことへの敷居が低くなってきましたし、高齢者の運転事故が社会問題となっている現在、免許返納にしても、家族だけで抱えこむのは得策ではないかもしれません」 そもそも「健常でも、年を取ると性格が変わる」と知ること、また「ほかの家も同じようなことで悩んでいる」と思うだけで、家族の心は少し楽になり、高齢者への接し方を工夫するきっかけになりうるという。こうしたちょっとした意識の変化が、免許返納への第一歩となるのかもしれない。 なお、前出の所氏も「この問題は警察による免許規制や高齢ドライバーを抱える家族のみの問題だけではなく、広い視点で捉える必要があります。キーワードは『多職種連携』と『地域連携』です」と語り、高齢者の免許返納問題の発展的な対策を紹介してくれた。 「熊本県を皮切りに九州各県、鳥取県などで免許更新現場に看護師・保健師を同席させた注目すべきシステムが展開されております。これは、高齢ドライバーから健康状況をはじめ生活全般について親身に話を聞き、地域事情に精通した看護師たちが具体的に助言・指導するというシステムです。これによって、確実に免許返納が増えているようです。私は、この数年、現地調査を行っておりますが、西日本から徐々に浸透してきているこのシステムが、免許返納の今後の切り札になるように感じております」 今後もさまざまな議論が繰り広げられるであろう高齢者の免許返納問題。二度と痛ましい事故が起こらないよう、誰もが他人事ではなく向き合っていくべきなのではないだろうか。 前のページ123 最終更新:2019/04/24 18:55 セブンネット 高齢ドライバー この悲劇が繰り返されることがないように 関連記事 祖母の失念で男児死亡……認知症の高齢者が起こした事件は、罪になる? ならない?「介護舐めるな」と批判噴出――“訪問介護をボランティアに”財務省の提案に、現場の本音は?性犯罪被害に遭っても証拠が残りにくい? 卑劣な「デートレイプドラッグ」の実態詩織さんがレイプ被害を訴えても、“110年ぶり刑法改正”でも変わらない、被害者への視線「福田和子」も被害者? 元女囚が明かす、刑務所で起こったレイプ事件 次の記事 高齢者事故、「責任能力」の境界線 >