「夫と、女性の恋人がいます」二股をかける女の葛藤……プウ美ねえさんが一喝!
家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。
<今回のお悩み>
「イスラム教の一夫多妻を参考にしていますが、これは浮気ですか?」
浮気の定義を教えてください。既婚かつ女性の恋人がいます。夫と恋人にも話をし、2人を好きなままで今の関係を続けたいと正直に話し、夫には「人を好きという気持ちは、自分にはどうしようもない」と理解と承諾をもらい、一緒に暮らしています。恋人とは遠距離ですが「夫には承諾をもらったが、2人の関係はどうするか?」と相談し、恋愛の関係を続けることにいたしました。
イスラム教の一夫多妻を参考に、夫と恋人を平等に扱うように接しています。ですが、日本人としてどうしても、浮気をしている気がしてしょうがありません。今の状況は浮気でしょうか。(アップルマンゴーさん、36歳)
【プウ美ねえさんの回答】
民法上の浮気はすでに定義されています。いまの法律では同性との肉体関係が想定されていないので、アップルマンゴーさんのしていることは、法的な不貞行為にはあたらないようです。
それにしても、恵まれた状況なのにどうしてこんなに沈んだ文面なのでしょう。ご夫君と恋人の納得ぷりに満足していないのですか? おふたりは単純にあなたと過ごす時間を削られるのですから、手放しに喜べなくて当然です。それとも、軸であるあなたが「ひとり勝ち」になるのが後ろめたいのでしょうか? ほんらい三つ巴で愛し合えるホモの3Pですら、和やかに遂行するには気配りと体力そして体の柔軟性が必要で、全員が協力しあわないとすぐプレイが破綻します。まして、別々にくらす男女ふたりと、同時に愛を育むのは大変なことでしょう。でも、それもはじめから想定できたことですね。
もし遠距離恋人が男性だったら、ご夫君は承諾しなかったかもしれないし、もし未婚だったら、恋人さんはあなたを独占したがったかもしれません。けれど実際には合意を得られたのです。まずはおおいに感謝すべきです。おねえさんだったら、ウジウジしながら二股なんかかけられたくありません。「イスラム教ならばこう」なんて他人の考えにたよるのはやめて、「自分ひとりの責任で、誰になんと言われても彼らを愛し続ける」と胸をはってください。それがご夫君、恋人にとっても一番重要なはずです。そしてふたりから愛されることを、うんと喜び楽しんでください。自慢しない程度に。
【今月のエプロンメモ】
イスラム教の一夫多妻制度は「それぞれの妻にたいしてついやす時間・金品に差異をつけてはならない」という厳しいもので、よほどの大金持ち以外実践がむずかしいと聞いたことがあります。おねえさんだったら、嫉妬されにくそうな「下から2番目に若い妻」くらいの位置におさまりたいものです。
熊田プウ助(くまだ・ぷうすけ)
1969年生まれ、ゲイ漫画家。都内でひっそりと飼い猫と暮らす日々を描いたエッセイマンガ『世界でヤろう!! おひとりホモ☆』(ぶんか社)、『世界一周ホモのたび 狂』(同)、『TOKYO中年駄ホモ生活』(同)など。
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