コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき49

元極妻が考える「アポ電問題」――ヤクザの間に“オレオレ詐欺”が広まるワケ

2019/04/14 17:00
待田芳子

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■アポ電詐欺で強盗殺人

「姐さん、『アポ電』て、どう思います?」

 編集者さんから聞かれました。

「どうって……いいわけないですよね」
「逮捕されているのは若い人ですけど、やっぱりヤクザとか背後にいるんですか?」
「わかんないけど、いてもおかしくはないでしょうね」

 元極妻が言うことでもないですが、本当にイヤな世の中になりました。3月には、アポ電詐欺のグループの実行犯3名が逮捕されています。犯人はまだ若者で、被害者の高齢女性が殺害されてしまいました。

 初めて知りましたが、今は「アポ電詐欺」はネット版現代語辞典の『知恵蔵mini』(朝日新聞出版)にも載っている言葉なんですね。

「個人に電話をかけ、家族構成や資産状況を聞き出したうえで振り込め詐欺や強盗などを仕掛けること。アポ電とはアポイントメント(面会の約束)を電話で申し込むことの通称。アポ電詐欺を仕掛ける者は親族や警察官、役所の職員、銀行員、マスメディアの調査員などを装うことが多い。警視庁によれば、2018年にはアポ電詐欺が疑われる不審電話を受けたとする通報が東京都内で3万件以上に上り、16年の2倍以上と急増した。同庁や国民生活センターは被害を防ぐため、疑わしい電話には出ずに自動通話録音機や留守番電話を活用したり、電話に出てしまった場合でお金の話が出てきたら、すぐに電話を切って警察に通報するよう呼びかけている」のだそうです。

 3月の事件は、もはや詐欺ではなく強盗殺人です。なぜこんな事態になってしまったのでしょうか?

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