『翔んで埼玉』大ヒットの裏で東宝が歯ぎしり! 「ヘイトにつながる」と配給を降りていた?
魔夜峰央の未完の原作漫画を映画化した『翔んで埼玉』が、異例のヒットを記録中だ。公開初週の興行成績ランキングではトップ(興行通信社調べ)を達成し、2週目でも初週を上回る観客動員数を記録、現時点で興行収入25億円を突破している。配給の東映関係者も、予想を上回る大ヒットに快哉を叫んでいるというが、その裏で歯ぎしりしているのが、ライバルの東宝なのだという。
昨年4月、同作の映画化が発表されると、原作ファンを中心にネット上で大きな話題に。ダブル主演の二階堂ふみとGACKTの派手なビジュアルも注目を集めたが、一部映画関係者の間では、同作の“設定”が世間に受け入れられるのか、不安視されていたという。
「同作は、『埼玉県民が東京都民から迫害を受ける』という設定なんですが、原作を読めば誰もがわかる通り、本質としては“埼玉愛”に満ちた作品であり、出演者たちもそれを理解していたはず。そんな中、ストーリーの随所に出てくる“埼玉ディスり”に恐れをなしたのが東宝でした」(映画誌ライター)
実は『翔んで埼玉』の配給会社は、もともと東宝だったという。
「情報解禁の少し前に、東宝関係者から取材やプロモーションの依頼が各メディアに入っていました。しかし、いつまでたっても情報が入ってこなかったため、担当者に確認したところ『ウチではやらないということになりました』と言われたんです」(同)
昨今、東宝は、過激表現を用いる作品を、極力排除していく方針が取られているという。
「『翔んで埼玉』は、ヘイトにつながりかねないと判断されたようです。この“無難路線”の影響により、ほかの有名作品も、配給が東宝から別会社に途中でチェンジされるという事態になっているそう。しかし、こと『翔んで埼玉』に関しては、作品の本質をキチンと捉えていれば、こうした発想には至らなかったはず。現場からは、上層部の頭の固さを嘆く声も聞こえてきます」(制作会社関係者)
現在も動員数を伸ばし続けている『翔んで埼玉』。東宝が逃した魚は大きかったようだ。