絶好調『ポツンと一軒家』に弱点? 『イッテQ!』『DASH!!』敗北も日テレ“問題ない”ワケ
2月24日放送の『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)が関東地区の視聴率で、長らく頂点に君臨してきた『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)を0.1ポイント上回ったことがニュースになった。
昨年11月には、『ポツンと一軒家』2時間半SPが『ザ!鉄腕!DASH!!』(同)に0.8ポイント差をつけて勝利。レギュラー化初回の特番では14.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマークし話題を集めたが、その後もオンエアごとに数字を伸ばし続け、6回目で番組最高視聴率となる15.4%を記録し、『DASH』を抜き去ったのだ。それから3カ月、ついに『イッテQ!』にも勝利。
日曜午後8時の『イッテQ!』は高視聴率を誇り、その裏番組は、かつて不毛地帯と呼ばれるほどに各局大苦戦していた。古舘伊知郎が『報道ステーション』(テレビ朝日系)を降板後、初めて務めたレギュラー番組『フルタチさん』(フジテレビ系)は大惨敗を喫し、1年足らずで打ち切り。さかのぼれば、ロンドンブーツ1号2号・田村淳が、FUJIWARA、有吉弘行、おぎやはぎらとともに殴り込んだ『クイズ☆タレント名鑑』(TBS系)も2年で終了したこともあった。
そんな、『イッテQ』が難攻不落の牙城を築いていた枠で、伏兵とも思えるテレビ朝日の番組が勝利したことは歴史的な快挙ともいえる。ただ、翌週の3月3日放送回は、『一軒家』が15.9%に対して『イッテQ』が18.8%と再び上回っている。
今後も接戦が続くとみられるが、日テレ関係者はこの状況をどう受け止めているのだろうか? まずは2番組の内容についてだが……。
「『イッテQ』は笑える番組ですが、その“波状攻撃”がしつこくて疲れるときがある。そんなとき、『一軒家』の抑制のきいた作りはホッとしますよね。NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の数字が落ち込む中、この2番組は今後も伸びていくと思います」
『一軒家』が『イッテQ』を打ち破ったことについては、「脅威ではあるが、そこまでショックではない」という。
「それぞれ視聴者の属性が違うので問題ないでしょう。『一軒家』の“お客さん”は高齢者、対して『イッテQ』は20~30代、もしくは40代と、物を買ってくれる方々がメイン。民放はCMで成り立っていますから、そのターゲットに訴求できている『イッテQ』は、これまでと変わらず、ブレずに作ればとよいと思います。ただし危険なロケも多くあり、そこは十分考慮して作らないと。タレントに重傷を負わせたら一発で番組が終わりますから要注意ですね」
では、日テレ側から見た『一軒家』の弱点はどこにあるのだろうか?
「3月3日の放送では、捜索していた一軒家が空き家だったので、周辺住民の方に『このへんでポツンと一軒家ありませんか?』と聞いていました。結局、目的の家は空き家というわけではなかったので難を逃れましたが、時には留守中ということも多い。ロケの段取りミスといった“失敗”を笑える『イッテQ』に比べて、こうした真面目なロケは何かしら“成果”がないと視聴者が離れていく。それに、次第に『山奥』の定義もあいまいになっていきそうです」(日テレ関係者)
いずれにしても、日テレの圧勝を伝えるニュースが多い中、こうして裏番組同士でしのぎを削る状況は、テレビ界にとって好ましいことに違いない。
(村上春虎)