担当ホストに月200万円……OLから風俗嬢になった女が駆け上がった「ホス狂い」の階段
ホストにハマりすぎている女たち――通称“ホス狂い”。「ホストに多額のカネを貢ぐ女」というイメージだけが横行する中、外の世界からはわからない彼女たちの悲喜劇がある。「ホストにハマらなかったら、今頃家が建っていた」という、新宿・歌舞伎町では名の知れたアラサー元風俗嬢ライター・せりなが、ホス狂いの姿を活写する。
友達を初めてのホストクラブに連れて行くときは少しだけ罪悪感のようなものがある。なんというか、万引きに友達を誘うような気分になるのだ(もちろん比喩である)。だって、使うお金が、3,000円から3カ月後には100万円になっている可能性だってあるのだから。
先日、この連載の担当編集者の希望で、彼女をホストに連れて行った。彼女は私に「ホス狂いの連載をしましょう」といってきたわりには、ホストに行ったことがないそうだ。
そのときも実は少し罪悪感があった。もしかしたら彼女もそのままホス狂いの階段を駆け上がってしまうかもしれない。そして、そのうちホストの話ばかりするようになり、挙げ句の果てに編集者を辞めて風俗嬢になるかもしれない(その場合、この連載は終了する)。昔、ホストになんて縁がなかった友達が半年後にはOLを辞め、1年後には毎月200万円を担当ホストへ使う「エース」になってしまったように。
3,000円が、100万円以上の遊びになる。なんだか、覚せい剤も最初はタダでもらえるんだとか、そんな話を想起する(もちろん比喩である)。つまり何が言いたいかというと、ホストで遊ぶ金額というのは最低金額と最高金額の幅が大きいのだ。だから、「騙されて大金を貢がされる」なんてイメージを持たれても致し方ない。
実際にホストに行ったことのない人には、何がどうなって飲み代が数十万数百万になるのか想像がつきづらいと思う。今日はこの、「お金の話」がしたい。なので、ここでホストクラブの通貨単位を一度まとめてみようと思う。
・初回500~3,000円程度
・初指名 1時間1万~2万円の席料
・指名料 2,000円程度
・飲食料(3,000~100万円以上)
・TAX(総額の40%)
TAXとは簡単にいうと、サービス料のようなものだ。つまり1回目は高くても3,000円程度、2回目以降は最低でも2~3万円のお金がかかる。店舗によっては2回目のハードルを下げるために、初めての指名は1万円飲み放題等のステップを設けていたりする。高すぎる階段は登りづらいから。
担当編集がこの2段目の階段に足をかけるかはわからない。初回だけしか行かない、という人が大多数だ。